肝血管筋脂肪腫 hepatic angiomyolipoma |
鑑別診断 |
肝細胞癌、肝細胞腺腫、限局性結節性過形成など。
肝血管筋脂肪腫(AML) |
・血管、平滑筋、脂肪の3成分からなる腫瘍。
・血管周囲に存在する多分化能をもつperivascular epithelioid cell(PEC)由来の腫瘍と考えられている。
・中年女性に好発、正常肝を背景にして発生。
・結節性硬化症で頻度が高い。
・血管豊富な多血性腫瘍、置換性に増生、被膜を有さない。
・脂肪成分の少ない筋腫型が多い。
・免疫染色でHMB-45、αSMA、Melan Aが陽性 → 肝ではAMLに特異的。
肝AMLとHCC |
・AMLに見られる血管成分と脂肪成分の証明が診断の主体ではあるものの・・・
→ HCCも多血性で、脂肪含有も見られる。
→ AMLなのに脂肪成分が少ないことも多い。
→ EOB-MRIでは両者ともに取り込み低下を示す。
・流出血管が肝静脈!
→ HCCは主に門脈系であるため、鑑別に有用。
→通常のDynamic CTでは早期静脈還流を捉えにくいが、血管撮影では明瞭に捉えられた。
結語 |
・診断目的の血管撮影が減少している中、血管撮影における早期静脈還流の所見が診断に有用であった肝血管筋脂肪腫の一例を出題致しました。
参考文献
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