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第 357 回 東京レントゲンカンファレンス[2015年1月22日]
症例7 50歳代 女性 : 食欲低下、背部痛
副腎結核
adrenal tuberculosis


 鑑別診断:両側性の副腎の腫大

・腫瘍
 – 転移性腫瘍(特に肺癌) ×
 – 褐色細胞腫(10% disease) ×
 – リンパ腫(NHL) ×
 – 副腎癌 ×

・炎症
 – 結核/非結核性抗酸菌 ○
 – Histoplasmosis △


 副腎結核

・副腎不全の原因の7-20%が結核性とされている。そのほかの原因には、自己免疫性(最多)、
  histoplasmosis・blastomycosis(流行地)、転移性腫瘍、副腎出血(ストレス)などがある(Dabrowska A et al.JPCCR 2012;6:88)
・肺外結核・・・粟粒結核(全身)10%、胸膜 70%、リンパ節(末梢・肺門)、脊椎・骨・関節、腸、尿路)
  (国立感染症研究所. 結核 2005年現在 (The Topic of This Month Vol.27 No.10)より)
・肺外結核は肝、脾、腎、骨、副腎 の順に多い
・副腎病変のみ認められるのが25%ある との報告(Lam KY et al. Clinical Endocrinology 2001;54:633)


 画像上の鑑別点(副腎結核と他の副腎腫瘍との鑑別)

・両側性病変
・副腎形状が保たれる
 これらは副腎結核にみられる傾向がある。
・石灰化・・・ 罹病期間が長くなるほど石灰化を伴う割合も増加する。
・内部T2WI 低信号
・造影後のRim enhancement、central necrosisは結核を想定させる。
・サイズ・・・ 特に関連はみられない。

 

 Take Home Message

免疫抑制患者に、中心壊死+辺縁増強効果を伴う両側性副腎腫瘤を認めた場合には、結核を考える(陳旧化するに従い石灰化も増加し、最後には萎縮・線維化・石灰化するという経過も)。

 


参考文献

  • Yang ZG et al. Eur Radiol 2006;16:2031-3036
  • Kawashima A et al. RadioGraphics 1998;18:393-412
  • Guo YK et al. Eur J Radiol 2007;62:359-370

 


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