副腎結核 adrenal tuberculosis |
鑑別診断:両側性の副腎の腫大 |
・腫瘍
– 転移性腫瘍(特に肺癌) ×
– 褐色細胞腫(10% disease) ×
– リンパ腫(NHL) ×
– 副腎癌 ×
・炎症
– 結核/非結核性抗酸菌 ○
– Histoplasmosis △
副腎結核 |
・副腎不全の原因の7-20%が結核性とされている。そのほかの原因には、自己免疫性(最多)、
histoplasmosis・blastomycosis(流行地)、転移性腫瘍、副腎出血(ストレス)などがある(Dabrowska A et al.JPCCR 2012;6:88)。
・肺外結核・・・粟粒結核(全身)10%、胸膜 70%、リンパ節(末梢・肺門)、脊椎・骨・関節、腸、尿路)
(国立感染症研究所. 結核 2005年現在 (The Topic of This Month Vol.27 No.10)より)
・肺外結核は肝、脾、腎、骨、副腎 の順に多い
・副腎病変のみ認められるのが25%ある との報告(Lam KY et al. Clinical Endocrinology 2001;54:633)。
画像上の鑑別点(副腎結核と他の副腎腫瘍との鑑別) |
・両側性病変
・副腎形状が保たれる
これらは副腎結核にみられる傾向がある。
・石灰化・・・ 罹病期間が長くなるほど石灰化を伴う割合も増加する。
・内部T2WI 低信号
・造影後のRim enhancement、central necrosisは結核を想定させる。
・サイズ・・・ 特に関連はみられない。
Take Home Message |
免疫抑制患者に、中心壊死+辺縁増強効果を伴う両側性副腎腫瘤を認めた場合には、結核を考える(陳旧化するに従い石灰化も増加し、最後には萎縮・線維化・石灰化するという経過も)。
参考文献
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