副腎海綿状血管腫 cavernous hemangioma of the adrenal gland |
副腎血管腫 |
副腎間質組織を発生母地とする稀な良性腫瘍
【疫学】
・頻度(剖検例)は1万分の1
・50-70歳に多い
【副腎血管腫 本邦報告64例のまとめ】
・男性にやや多い
・年齢は幅広い
・腫瘍径は大きい
・偶発腫が多い
・症状があることも
・褐色細胞腫や副腎癌などの悪性腫瘍との鑑別が難しく、手術が推奨される。
画像所見
・大きさ 2〜10cm
・CT:出血時期により低〜高吸収
・T2WI:高信号 T1WI:低信号
出血、壊死、繊維化で信号強度は変化
器質化血腫はヘモジデリン沈着によりT2WIで著明な低信号
・辺縁小結節状増強効果
大きくなると中心部壊死を起こすため、肝血管腫のような
中心部への増強効果は見られないことが多い
・辺縁に点状、輪状石灰化→静脈石(28-87%)
鑑別 | 副腎血管腫 | 褐色細胞腫 |
T2WI | 高 | 高 |
T1WI | 低 | 低 |
造影 | 辺縁小結節状増強効果 | 早期濃染、持続性 |
MIBGシンチ | 集積なし | 集積あり 感度(80%〜90%) 特異度(95%〜100%) |
石灰化 | 辺縁 点状、輪状(静脈石) | 少ない(10%) |
出血 | 多い | 多い |
嚢胞変性/td> | 稀 | 多い |
ホルモン産生 | なし | カテコールアミン分泌 |
結語 |
・副腎の稀な良性腫瘍として副腎血管腫がある。
・辺縁小結節状増強効果、辺縁石灰化(静脈石)が特徴的。
・実際は褐色細胞腫や副腎癌などの悪性腫瘍と鑑別困難なことが多く、手術が推奨される。
参考文献
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