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第 360 回 東京レントゲンカンファレンス[2015年5月21日]
症例5 10 歳代 男性 : けいれん、顔面浮腫、腹痛、発熱
へノッホーシェーライン紫斑病(アレルギー性紫斑病)
Henoch–Schönlein purpura


 小腸の浮腫性変化

代表的疾患
・アニサキス(胃十二指腸〜小腸)
・好酸球性腸炎(胃十二指腸〜小腸)
・血管炎・膠原病(SLE、結節性多発動脈炎、悪性関節リウマチ、Churg-Strauss症候群、Henoch-Schöenlein紫斑病など)
・MRSA腸炎(小腸〜右側結腸)
・Chohn病(小腸大腸型・小腸型:70〜80%、大腸型:10〜20%)
「画像診断に絶対強くなるワンポイントレッスン」(扇 和之 他 編著), pp.155, 羊土社 2013.

 

 Henoch–Schönlein purpura

・1837年にSchonleinは関節の腫脹性疼痛と紫斑で発症した患者を初めて報告
・1874年にHenöchが腹部疝痛・嘔吐・血性下痢などの腹部症状と紫斑で発症した患者を報告
・皮膚・関節・腸管・腎に主に起こる小血管の炎症。
・原因不明が多いが、上気道感染が先行することがある。
・特に2〜6歳で好発。(男:女=2:1)
・多くは独特な皮疹・紫斑が下肢や殿部を中心にみられる。ただし、腸管浮腫・腹痛が皮膚所見に先行することがある。
Gomes RM. et al. Annals of Gastroenterology; 27: 276-279, 2014.
五代 天偉ら. 日本大腸肛門病会誌: 62: 238-242, 2009.

 

 PRES

・1996 年にHincheyが、高血圧性脳症や産褥子癇、免疫抑制剤の使用を背景として、可逆性で特徴的な臨床症候と画像所見を呈した15 症例をもとに提唱した疾患概念
・病態:背景因子をもとに血管内皮細胞の障害、血液脳関門の破綻がおこり、血管原性浮腫が生じる説
・臨床症状:頭痛、精神障害、けいれん、視覚障害、意識障害等 McKinney AM, et al. AJR. 189: 904-912, 2007・原因:高血圧、子癇、シクロスポリン・抗癌剤などの薬剤、高カルシウム血症、 血小板減少症候群、Henoch-Schönlein 紫斑病、溶血性尿毒症性症候群、 amyloid angiopathy、systemic lupus erythematosus, and various causes of renal failure 
・本例のように、神経症状が主訴の症例報告あり。若年で神経症状+腹部症状がある場合、Henoch-Schönlein 紫斑病を疑うべきとの意見あり。
McKinney AM, et al. AJR. 189: 904-912, 2007.
Dasarathi M, et al. Pediatr Neurol. 46: 42-43, 2012.

 

 結語

・けいれん・腹痛を主訴として発見されたHenoch–Schönlein紫斑病を経験した。
・多くは皮膚所見が先にあり、既に疑われている場合が多いが、本例のようにけいれんを主訴とする場合や、腹部症状が先行する場合もある。
・若年の広範な小腸の浮腫性変化を見た場合は鑑別に考えながら読影する必要があると思われた。


 


参考文献

  • Gomes RM. et al. Annals of Gastroenterology; 27: 276-279, 2014.
  • 五代 天偉ら. 日本大腸肛門病会誌: 62: 238-242, 2009.
  • 「画像診断に絶対強くなるワンポイントレッスン」(扇 和之 他 編著),pp.155, 羊土社 2013.
  • HaHa HK, et al. Radiographics; 20: 779-894, 2000.
  • McKinney AM, et al. AJR. 189: 904-912, 2007.
  • Dasarathi M, et al. Pediatr Neurol. 46: 42-43, 2012.

 


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