症例７　20歳代　女性

気管内粘液性類表皮癌 mucoepidermoid carcinoma in the bronchus

 

画像所見

単純Xp	CT

単純CT	造影CT
		まとめ ・気管右後壁と連続した亜有茎性単発性腫瘤 ・石灰化や脂肪成分は伴わない。 ・淡い造影効果を有する。 ・明らかなリンパ節腫大はなし。 ・縦隔気腫・皮下気腫

気管内腫瘤	脂肪成分を伴わない単発性の気管内腫瘤
・扁平上皮癌 ・腺様嚢胞癌 ・粘表皮癌 ・カルチノイド ・平滑筋腫 ・多形腺腫 ・神経原性腫瘍 ・乳頭腫 ・転移性腫瘍 ・過誤腫 ・脂肪腫	・扁平上皮癌 ・粘表皮癌 ・平滑筋腫 ・カルチノイド ・多形腺腫 ・神経原性腫瘍

扁平上皮癌	カルチノイド
・気管腫瘍の75% ・男性に多い ・60〜70代に多い ・喫煙者に多い ・気管外浸潤する ・1/3はリンパ節転移あり。 ・40％は喉頭癌や肺癌を合併	・気管腫瘍の5% ・気管内腔の楕円形腫瘤。 ・30％には石灰化を伴う。 ・強い造影効果を伴う
Anh-vu H.Ngo AJR:201, August 2013, 301-314	Anh-vu H.Ngo AJR:201, August 2013, 301-314

診断：縦隔気腫を伴った粘表皮癌

術後4か月のCT

 

粘表皮癌（mucoepidermoid carcinoma）

・唾液腺、気道の外分泌腺由来の腫瘍 ・粘液産生細胞、類表皮細胞、中間細胞から構成 ・肺の悪性腫瘍のうち0.1~0.2% ・半数は30歳以下の若年者に発症 ・葉気管支や区域気管支に好発 ・石灰化を伴う事がある。 ・気管内腔に沿って伸展する腫瘤 ・5年生存率は80％	Chang Min Park, Radiographics 2009 29:55-71
▲類上皮細胞／中間細胞／粘液産生細胞

気管腫瘍が縦隔気腫を伴ってよいのか？

カルチノイドで発症したcase report あり。 喘息の増悪時に気道内圧の上昇により縦隔気腫・皮下気腫を伴う事がある。 本症例も腫瘍性の気管閉塞による気道内圧の上昇が疑われる。

M zahid BMJ Case Reports 2011 doic 10.1136 1-5

 

結語

・縦隔気腫を伴った珍しい気管腫瘍の一例を経験したため文献的考察を加えて報告した。

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参考文献

• Minoru Maehara、Radiat Med, 2006, 24:643-645
  
• Yao-Kuang Huang, Chang Gung Med J, 2003, vol.26 No.7 , 530-533
  
• Ricaro Kalaf Mussi, J Bras Pneumol. 2009;35(3):280-284
  
• Interacitive Cardio Vascular and Thoracic Surgery, 2012,15,311-313
  
  
  

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Moderator：　野村 敬清

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