ウイルス性腸炎後の十二指腸潰瘍穿孔 duodenal perforation due to viral colitis |
ウイルス腸炎後の十二指腸潰瘍穿孔 duodenal perforation due to viral colitis |
-小児の消化性潰瘍は発症年齢により原因・臨床像が異なる
年長児:H.pylori感染
成人に類似した慢性経過
乳幼児:感染,脱水,抗炎症剤,誤飲などに続発
穿孔や消化管出血などで急性発症
-乳幼児の十二指腸潰瘍はまれだが急性胃腸炎に続発する十二指腸潰瘍の穿孔や出血の報告あり
-ウイルス性腸炎の病態
ウイルス感染による小腸絨毛上皮の破壊
これに続発する絨毛萎縮と水/電解質の分泌吸収能の低下
エンテロトキシン(ウイルスの非構造蛋白のLSP4)による上皮細胞の分泌亢進により下痢/嘔吐
-消化管穿孔の機序として考えられるもの
感染による絨毛上皮の破壊/脱落
脱水による循環血流量の減少および粘膜血流の減少
頻回嘔吐による消化管内圧上昇など種々の症状によるストレス
ロタウイルスの報告が多いがノロウイルスでも同様の報告あり
いずれも特に既往歴のない乳幼児に発症
参考文献