冠静脈洞左房交通 unroofed coronary sinus ASD |
画像所見 |
胸部単純写真
・両側上肺野の血管陰影の増強
・軽度心拡大
・右室の拡大が示唆される
CT造影早期相 軸位像
・肺動脈主幹部は上行大動脈とほぼ同じ径を示し、肺動脈の拡大を認め、肺高血圧が示唆される。
CT造影早期相 軸位像 ・右室拡大。 ・冠静脈洞の右房合流部直前は拡張している。 ・冠静脈洞の右房合流部直前は造影効果を認めるが、 冠静脈は造影効果を認めない。 |
CT造影早期相 短軸像 ・左心房と冠静脈洞の間に存在する冠静脈洞上壁が欠損している。 ・冠静脈洞の右房合流部直前は拡張し、 左心房→冠静脈洞→右心房への交通が認められる 。 |
|
Cine MRI短軸像
・左心房と冠静脈洞との交通を認め、冠静脈洞は拡張している。
体肺流量比(Qp/Qs) = 8771/4140 = 2.1 左-右シャントを疑う。 |
診断:心房中隔欠損症 冠静脈洞欠損型(unroofed coronary sinus ASD)
unroofed coronary sinus ASD |
・心房中隔欠損(ASD)の稀なタイプ(全ASD中1%未満)
・左心房と冠静脈洞の間に存在する冠静脈洞上壁が欠損した結果、左心房→冠静脈洞→右心房への左-右シャントが形成される。
・左上大静脈遺残や他の心奇形の合併が報告されている。
・幼少期には症状がないことも多く、学校検診などで偶然発見されることも多い。
・左-右短絡量が多い場合には、肺高血圧が進行しチアノーゼを生じたり、心房細動などの不整脈を生じる。
・術前診断が困難であり、しばしばASDの他の病型と誤診され、術中に開口部の位置が同定されることもある。
・治療:開口部閉鎖術
参考文献
◀ 症例提示へ戻る | 画像をまとめて見る…PDF |