副神経鞘腫 accessory nerve schwannoma |
画像所見 |
単純CT ・延髄は右前方に圧排される ・小脳半球の間に嚢胞性腫瘤 内部に高吸収の液面形成 |
MRI T2強調像 ・延髄周囲槽・左Luschka孔 近傍に進展 ・多房性嚢胞性腫瘤 内部に出血による液面形成 |
MRI T2強調像 矢状断 ・上流の水頭症はない ・延髄・小脳を圧排しており 延髄周囲槽〜大槽を主座とする腫瘤を疑う |
MRI 造影T1強調像 軸位断 ・左頚静脈孔から連続する神経(?) ・多房性嚢胞の壁・隔壁に強い造影効果 |
所見のまとめ |
・延髄周囲槽〜大槽に3-4cm大の境界明瞭な嚢胞性腫瘤。
・T1WI:低〜等信号、T2WI:高度高信号、DWI:低信号。
・壁/隔壁に強い造影効果
・出血成分によるfluid-fluid level
鑑別診断 |
延髄周囲槽の実質外腫瘍?もしくは 小脳腫瘍?を考える。
・Ependymoma | 年齢が非典型的か |
・Subependymoma | 出血は頻度少ない |
・Schwannoma | 所見は脳槽腫瘍を疑う |
・Metastatic tumor | 既往はない |
・Rosette forming glioneuronal tumor |
臨床経過
・脳幹の圧排を認めており、適応ありと判断し手術が施行された。
・術中所見…
ー腫瘤の被膜に左副神経が癒着していた
ー迅速診断:変性を伴う神経鞘腫
最終診断 (左副神経由来の)神経鞘腫:Schwannoma of left accessory nerve
考察:脳神経由来の神経鞘腫 |
脳神経の神経鞘腫は頭蓋内腫瘍の5-10%。その内のほとんどが前庭蝸牛神経由来で、 三叉神経、顔面神経、下位脳神経にも発生する。
副神経由来の神経鞘腫はrare
➀脳槽内
➁頚静脈孔
➂頭蓋外
参考文献
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