腹壁外デスモイド extra-abdominal desmoid |
鑑別診断 |
・extra-abdominal desmoid
・myxofibrosarcoma 等の soft-tissue sarcoma
・nodular facitiis
・subcutaneous sarcoidosis
Extra-abdominal desmoid1,2) |
・線維芽細胞と筋線維芽細胞の増殖, 膠原線維の沈着。
・線維腫症(fibromatosis)のうち深部発生のものはデスモイド型線維腫症と呼ばれる(desmoid fibromatosis)。
・発生部位により、腹壁(49%)、腹腔(8%)、腹壁外(extra-abdominal/aggressive fibromatosis;43%)と分類。
・腹壁外では、頸部・肩甲骨域・臀部・大腿に好発。
・腫瘤の多くは5cm以上、15%で多発。
・強い局所浸潤を特徴とするが、転移は認めない。
・女性優位。多くは孤発性。10-20%がFAPに合併。
・好発年齢 : 思春期から40代、ピークは25-35歳。
手術や妊娠・エストロゲン(約3割にエストロゲン受容体が発現)が関与するとされ、妊娠・分娩後の増大や再発あり。
画像所見1,2,3)
・54%が境界明瞭、46%が一部または全体的に辺縁不整。
・約3割でadjacent fascia 超える
・石灰化は稀、腫瘍壊死を認めない
・T1WI
iso〜slightly hyper intensity:83%
Homogenous〜almost homogenous intensity:79 %
・CE-T1WI
中等度から明瞭な造影効果
・T2WI
high intensity:77%、high cellularityを反映
low signal band(62%):collagen depositionを反映
全シーケンスで中等度〜明瞭なlow lesion(31%)
homogenous intensity :65%
→初期には、低信号域がdesmoidに特徴的と報告がされたが、非特異的で他の腫瘍とのover lapも多い。
→信号強度はdesmoidの活動性を反映し、陳旧化して線維成分が増加すると低信号域が増加
・他の腫瘍との鑑別点:
- T2WI
desmoid:信号強度がfatよりも低い傾向にありmyxoid成分を含む悪性腫瘍やnodular facitiis:fatよりも高い傾向と されるが、悪性腫瘍とdesmoidの信号強度はover lapも多い
- ADC値
他の悪性腫瘍に比して、高値を呈するとされる
Take home message |
・本症例はExtra-abdominal desmoidに特徴的な浸潤性増殖を呈した。
・T2WIで高信号域や膠原線維を反映したlow signal bandが混在した軟部腫瘍では、desmoidを鑑別に考慮する。
・妊娠やエストロゲンの関与によって増大しうる。
参考文献