胸腺腫 thymoma |
臨床・画像所見のまとめ |
・突然の胸痛
・前縦隔の周囲脂肪織濃度上昇を伴う軟部濃度腫瘤
・辺縁のみが増強される
・粗大な脂肪や石灰化なし
・胸水
・経過で縮小、胸水も減少
鑑別診断 |
・急性の経過 → 感染、破裂や血管性のイベント?
・奇形腫の破裂
・胸腺嚢胞や気管支原性嚢胞への出血、感染
・胸腺腫など腫瘍の梗塞
診断:Necrotic thymoma, type A or AB(大部分が壊死に陥った胸腺腫)
胸腺腫の壊死 |
・Moranらは切除例 25/600 例で、広範な壊死、出血、嚢胞変性を認めたと報告1)
・梗塞部は血管閉塞や血栓とよく関連していたとしている1)
・しかし本邦での、壊死を伴い自然縮小した11例の報告では、大部分で血管の閉塞病変は認められなかった2)
1)Moran CA, et al. Am J Surg Pathol 2001;25:1086-90.
2)佐藤泰介ら. 日本胸部臨床 2010;69巻2号:168-171.
壊死性胸腺腫の臨床・画像所見 |
・突然の胸痛、発熱
・平均6cm程度
・嚢胞様の造影不良域、周囲脂肪織濃度上昇、胸水
・単純CTで層状の構造
・T1WIで凝固壊死を反映する高信号、層状構造
・経過での縮小、胸水の消退
・多くが正岡分類T/U期、予後良好1)
参考文献