痛風結節 tophi |
痛風 gout |
・高尿酸血症(7mg/dl以上)が持続
→尿酸ナトリウム(MSU)結晶がおもに関節周囲組織に沈着して発症
→MSU結晶は低温で飽和しやすく、四肢末梢の関節、耳介周囲、血流の乏しい腱や靭帯組織に沈着しやすい。
※尿酸塩あるいは尿酸の析出→尿路結石、腎障害
・無症候性高尿酸血症
—長期の経過を経て急性痛風性関節炎、腎障害、尿路結石で発症
・急性痛風性関節炎
—痛風発作、単関節性に発症、半数以上は第1中足趾節関節、局所の発赤と腫脹を伴う
急性結晶誘発性関節炎
—痛風発作 × 5〜8 回、複数の関節が侵され多発関節炎を呈する
・慢性結節性痛風
—10年以上の経過を経て慢性結節性痛風に移行
慢性結節性痛風
・異物性肉芽腫(痛風結節: Tophus)を伴う進行期痛風性関節炎
※痛風結節:MSU結晶沈着と組織球、リンパ球、線維芽細胞、異物型巨細胞の浸潤による
・確定診断には関節液や軟部結節にMSU結晶の証明が必要
・30〜50代の男性に好発
・足、手、肘、膝の関節周囲、肘頭滑液包、大腿四頭筋の膝蓋腱付着部、Achilles腱の踵骨付着部などの関節周囲の軟部組織および皮下組織に好発
画像所見の特徴
・単純Xpで軟部組織の痛風結節は偏在性で濃厚な陰影を示す。
・石灰化は単純Xpで5%、CTで頻度↑
・傍関節の痛風結節が増大すると隣接骨に骨侵食(bone erosion)を生じる
・典型的にはoverhanging edge あるいは硬化縁を持つ骨びらんを示す。
・骨粗鬆症を伴わない
・CT値 160HU(今回200HU)
・MRIではT1WIで筋と同等の低信号、T2WIでは不均一な中間信号〜低信号の混在(カルシウム沈着、結晶沈着、線維組織増生の関与)
・MRIでの信号強度のパターンはアミロイド関節症にもみられるが、臨床的な背景や好発部位が異なる
最近の話題
The 2015 gout classification criteria
・The American College of Rheumatology
・The European League against Rheumatism
痛風結節のまとめ |
・10年以上の長期間の経過で発症
・単純Xp、CTでの硬化縁ないしはoverhanging edgeを伴った骨びらん
・MRIで傍関節や靭帯周囲にみられるT2WI低信号主体の不均一な腫瘤性病変
・Dual energy CTで尿酸ナトリウム結晶の沈着
参考文献