肝サルコイドーシス liver sarcoidosis |
サルコイドーシス |
・頻度は元々稀とされていたが、剖検例では約40%に肝病変が認められるとの報告もある |
立花暉夫.サルコイドーシスにおける肝障害.日本臨床1988;46:458―464 |
・肝臓のサルコイドーシスに起因する臨床症状は乏しく、肝機能 障害を来たす例は少ないとされる |
立花暉夫 サルコイドーシスの肝,肝内胆管系病変.「領域別症候群シリーズNo.8 肝胆道系症候群肝臓篇下巻 日本臨床 1995,p333―336 |
・しかし中には肉芽腫による胆管や門脈、肝静脈系の圧排から、 門脈圧亢進症や肝硬変をきたした症例も報告されている |
Devaney K, Goodman MD, Epstein MS, et al. Hepaticsarcoidosis. Clinicopathologic features in 100patients. Am J Surg Pthol 1993; 17: 1272―1280 |
肝サルコイドーシスの画像所見 |
・最も多い所見は肝腫大で、実質は正常である事が多い |
Warshauer DM, Dumbleton SA, Molina PL,Yankaskas BC, Parker LA, Woosley JT. AbdominalCT findings in sarcoidosis: radiologic andclinical correlation. Radiology 1994;192:93–98 |
・肝サルコイドーシスの5%の患者に肝内多発小結節を認め、平均では2mmから2cmであることが多い。 |
・結節は肉芽腫を反映して造影CTでは低吸収。 |
David M. Warshauer and Joseph K. T. Lee. Imaging Manifestations of Abdominal Sarcoidosis: AJR 2004;182: 15-28 |
・稀にMRI ではT1 強調画像にて低信号,T2 強調画像にて軽度高信号に描出される場合もあり、前述の典型例と比較して病変自体が比較的大きい時もある。 ⇒小さい肉芽腫が癒合した結果などが疑われているが、実際の理由はよくわかっていない |
Gregor Jung, Nicole Brill, Ludger Wilhelm Poll et al. MRI of Hepatic Sarcoidosis: Large Confluent Lesions Mimicking Malignancy: AJR 2004;183: 171-173 |
Take home message |
・健診にて発見された肝サルコイドーシスを経験した
・肝内に結節性病変を呈するサルコイドーシスは稀であり、多くは多発小結節である。
しかし、稀に本症例のような画像所見を呈する事もある
・特に血管を貫通する腫瘤性病変を認めた場合にはサルコイドーシスも鑑別に挙げる必要がある
参考文献