膀胱炎症性筋線維芽細胞腫瘍 inflammatory myofibroblastic tumor of the bladder |
IMT総論 |
・1990年以降報告数が増加中
・筋線維芽細胞や線維芽細胞の特徴を示す紡錘細胞と炎症細胞浸潤からなる中間悪性腫瘍(再発/転移あり)
・炎症性偽腫瘍 inflammatory pseudotumor:IPTから独立した疾患群
・全身発生 : 肺が最多. 泌尿器系は膀胱が最多
・治療:完全切除が基本
Am J Clin Pathol 1990;94:538-546
膀胱IMTの臨床的事項
・1980年 膀胱炎症性肉腫として第 1 例の報告。 Urology 16 : 635-637, 1980・本邦では52例のreview 泌尿紀要 52 : 277-279,2006・臨床症状 : 肉眼的血尿、排尿時痛、下腹部痛、頻尿
・発症年齢:30歳〜50歳
・男女比 :ほぼ1対1。
・発生部位:傾向なし
・原因 :不明。尿路感染症、外傷、手術、免疫異常etc
Urology. 2014 Sep;84(3):503-8.
膀胱IMTのpitfall
・組織学的にSarcomaと似ているので、若年患者の”sarcoma”の病理診断には注意:化学療法や放射線照射される恐れがあるので、IMTの可能性を放射線科医から問い合わせることが有効なことがあるかもしれない。
・免疫染色の有用性:ALK(+)、p53弱陽性 → IMT
Am. J. Surg. Pathol. 28 : 1609-1614, 2004
Mod. Pathol. 17: 765-771, 2004・複数の呼称:組織性状が酷似
- 下部尿管系発生では間質浮腫が豊富であり、pseudosarocmatous myofibroblastic proliferationと呼ばれることがある。
- 膀胱術後続に発性する組織はpostoperative spindle cell nodule(PSCN)と呼ばれる。
Am J Surg Pathol 8:101-108 1984
Am J Surg PathoL 30:787-794 2006
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膀胱粘膜下腫瘤の鑑別では、
・線維成分を示唆する所見
・炎症細胞浸潤を示唆する辺縁に強い造影効果
を見たら、IMTを考慮する必要がある。
参考文献