大動脈原発肉腫とその胃転移 primary sarcoma of the aorta(mural type) |
考察(大動脈原発肉腫) |
・非常にまれ、ほぼ偶然に見つかるか、剖検例 (1873年にBrodowskiの報告以後、約140例のみ)
・症状:非特異的(腰痛、腹痛、下肢痛など)
・Ope 前診断:大動脈瘤、急性下肢動脈閉塞症
大動脈原発肉腫
炎症性大動脈瘤 | 大動脈発生の肉腫 | |
好発年齢 | 50-70歳代, 男性 | 40-80歳代 男性 or 性差無し |
好発部位 | 腎動脈以下腹部大動脈 | 大動脈・腸骨動脈 |
症状 | 発熱、背部痛 | 発熱、背部痛 |
特徴 | IgG4上昇、喫煙者 | なし |
画像的特徴 | Mantle sign(瘤の前側壁の厚い軟部陰影) 後腹膜線維症, 周囲の癒着 単純CTで壁はやや高吸収 |
偏在性に発育 PETでSUVmax7以上 単純CTで壁はやや高吸収 |
大動脈の内腔 | 広がる(紡錘状) | 狭くなる or 広くなる(Intimal or Mural type) Intimal:末梢の動脈閉塞 Mural:多数の瘤形成 |
予後 | 他のIgG4関連疾患の有無にもよる | 16±2.4ヶ月 3年生存率 8% |
まとめ |
・非常にまれな大動脈原発の肉腫(Mural type)を提示
・腫瘍だけではなく大動脈内腔の形状も参考に診断(矢状断や冠状断での評価も有用)
・Intimal とMural typeでは肉腫でも形や病態が異なることに注意
参考文献