メルケル細胞癌の膵転移 Merkel cell carcinoma metastasis to the pancreas |
多血性膵腫瘍の鑑別 |
膵内分泌腫瘍
腺房細胞癌
転移(腎、肺、乳癌など)
solid typeのSCN
SPN
膵内副脾
蒲田 敏文 胆と膵 vol.35 (7) p.605-614 2014
膵転移 |
・切除膵腫瘍の2-4%
・剖検例では1.6%
–20%は膵単発病変
–8.5%は膵原発と誤診
・原発巣:腎、肺、消化管、乳腺、皮膚(メラノーマ)、肉腫、造血系
–欧米 乳癌、肺、メラノーマ
–日本 胃癌最多
・膵単発転移は50%以上で症状なし
–原発巣のfollowで見つかる
J Surg Tech Case Rep. 2013 Jul;5(2):82-4
Gastroc Endosc 2005;61:689–696
Virchows Arch 2004;444:527–535
Acta Cytol 1992;36: 471–476
Merkel細胞癌 |
・1972年にTokerにより、皮膚の索状性がんとして最初に報告された
・真皮表皮接合部に発生する侵攻性の神経内分泌癌
・Merkel細胞の正確な起源および機能は研究段階とされている
・2008年に同定されたメルケル細胞ポリオーマウイルスが、メルケル細胞癌の原因のひとつと考えられているが、詳細はまだ不明
・頻度:10万人当たり0.6人 (米国)
・診断時年齢中央値は約65歳 年々増加(8.08%/年の増加)
・好発部位:皮膚が日光曝露を受ける部位、特に頭頸部に最も頻繁
・高悪性度
–局所再発、リンパ節転移、遠隔転移(腹部、胸部頭蓋内)を高率に生じ、予後不良な疾患(発見時には27%にリンパ節転移、7%遠隔転移を認める)
・二次性発がんのリスク
–他の皮膚癌、喉頭癌
J Cutan Pathol 2010: 37: 20–27
British Journal of Cancer (2011) 104, 178 – 180
Merkel細胞癌の膵転移
・膵転移の頻度の報告は無いが、非常に稀
–膵転移の平均生存期間は7.5ヶ月
・CTやMRIによる膵原発との鑑別は困難
–多血性、均一なものが多い
・PET/CTではFDG集積を認める
–SUV max 5-14
・細胞形態学、免疫組織化学的にNETと似る
Digestive Diseases and Sciences June 2015, Volume 60, Issue 6, pp 1805–1812
Mol Imaging Biol (2006) 8:212Y217
–ACTA CYTOLOGICA Volume 53 Number 2 March–April 2009
結語 |
皮膚腫瘍と多血性膵腫瘍を合併した場合にはMerkel細胞癌の転移を鑑別に考慮する
参考文献