感染性脳動脈瘤 infectious cerebral aneurysm |
画像所見のまとめ |
MR
・左小脳半球にT2WI、T2*WI、FLAIR、DWIなどで低信号
T1WIでは等信号、DWIではわずかに高信号
・脳室系の拡大+両側側脳室後角のfluid-fluid level
・T2*WIで脳表に多数の結節状低信号域、高位円蓋部に優位
・DWIで両側の頭頂葉〜後頭葉の皮質に点状の高信号域
CT
・両側性小脳半球、両側側脳室に高吸収域
・右後頭部、左前頭部のくも膜下腔、脚間槽に少量の高吸収域
感染性動脈瘤 |
・感染した微小塞栓子
・動脈の内膜損傷部への感染
・既存の動脈瘤への感染
・周囲から動脈への炎症波及
・鋭的外傷など外部からの直接感染
⇒動脈壁の破壊
⇒仮性動脈瘤の形成
脳のMRI 細矢貴亮ら(MEDSi、2015) ・動脈瘤の部位
1.中大脳動脈(63.5%)
2.後大脳動脈(14%)
3.前大脳動脈(9.0%)
4.その他(13.5%)
Hamisch CA, et al. Cerebrovasc Dis 42:493–505・動脈瘤の大きさ
1.Small:<5mm (44.2%)
2.Medium:5-10mm (30.8%)
3.Large:>10mm (25.0%)
Alawieh A, et al. Clinical Neurology 0:1–10CTAやMRAでは評価困難
・T2*強調像の低信号は皮質領域に分布
Fujimoto T, et al. Circ J 82:464-468・臨床上、感染性心内膜炎の患者の3-10%で認める
・剖検例の5-10%で発見されている
実際の罹患率は推定より高い可能性
Ducruet AF, el al. Neurosurg Rev 33:37-46・感染性心内膜炎罹患患者に対する中枢神経合併症
1.虚血性病変(48%)
2.くも膜下出血(23%)
3.脳内出血(9%) 感染性脳動脈瘤(9%)
Fujimoto T, et al. Circ J 82:464-468
鑑別疾患 |
・微小脳出血
高血圧性:基底核、視床、脳幹を主体に分布
アミロイドアンギオパチー
・感染性脳動脈瘤
Take Home Message |
・重症感染症(敗血症、心内膜感染症など)の患者の頭部MR検査では、塞栓症梗塞や感染性動脈瘤に注意
・感染性動脈瘤の精査にはT2*強調画像が有用
参考文献