大網GIST のびまん性腹膜播種 primary omental GIST with diffuse peritoneal dissemination |
所見のまとめ |
【CT】
・腸間膜に多発し、一部壊死ないし嚢胞変性を示す腫瘤性病変
・大網・腸間膜の静脈の拡張
・隣接する腸管の内腔は保たれ、腸閉塞には至っていない
・胸腹水少量
【MRI】
・子宮底部には小さな筋腫があるが、腸間膜腫瘤はT2WIで高信号であり性状が異なる
・両側卵巣に粗大な腫瘤は指摘できない
鑑別診断 |
・Disseminated peritoneal leiomyomatosis
・Peritoneal carcinomatosis
・GIST / EGIST
・Lymphomatosis
・Mesothelioma
・Desmoplastic small round cell tumor
・Tuberculosis
・Sarcoidosis
・Amyloidosis
RadioGraphics 2008; 28:1931-48.
Disseminated Peritoneal Leiomyomatosis |
・生殖可能年齢の女性に多く、男性や閉経後女性に発生しづらい(本例:60代)
・女性ホルモンの影響:妊娠,経口ピル,性索間質性腫瘍など
・腫瘍細胞でエストロゲン・プロゲステロン受容体の増加が知られる
・筋腫核出術や子宮摘出術の既往があることが多い
【画像】T1WI, T2WIで平滑筋に近い信号
Peritoneal Carcinomatosis |
原発巣として卵巣、結腸、胃が多く、稀には膵、子宮、膀胱の癌に伴うこともある。
【画像】
腹水(most common)、腹膜肥厚・増強効果
ECR 2014/C-0103
extra-gastrointestinal GIST(EGIST) |
・EGIST 37例のまとめでは、
–年齢:平均63.2歳(37-81)
–男女比17:20
–腫瘍径:平均14.9cm(3.2-35cm),27/37例で10cm以上
–5年生存率:40.5%
・好発部位:大網,腸間膜,後腹膜など
・消化管のGISTに比して症状が出づらいため、本例のように増大してから発見されることが多い
・frequent mitotic activity (>2/50 HPF),高細胞密度,壊死所見,などは予後不良因子
・リンパ節転移や腹水貯留は通常生じない。
Indian Journal of Cancer 2011; 48(1):135-7.
仙台医療センター医学雑誌 Vol. 3, April 2013
参考文献