第 385 回 東京レントゲンカンファレンス[2018年6月28日]
肝副葉茎捻転 torsion of accessory hepatic lobe |
・肝尾状葉に接する腫瘤
・腹痛時の造影CTでは造影効果に乏しいが、腹痛改善後の造影CT(約2か月後)では肝と同様の造影効果あり
・隣接する肝尾状葉と門脈の連続性あり
鑑別診断 |
肝腫瘍
胃粘膜下腫瘍
腹膜腫瘍
肝副葉(茎捻転) |
・肝副葉は形態異常のひとつ、女性に多い
・正常な肝組織で構成され、主肝との間に実質や結合織、腸間膜などで連続性を認めるもの
(ほか形態異常としてリーデル葉(右葉尾側の突出)、異所性肝(主肝と離れている)がある)
・画像所見は基本的には主肝と同様、主肝と血管の連続性を確認できる
・捻転や出血をきたすと所見が変化(捻転が解除されると正常肝と同様もしくはそれに近い所見に戻る)
・術前にその可能性を指摘することで手術侵襲を少なくできる
Take home message |
肝に隣接する腫瘤を見つけた際には肝副葉由来の可能性も考慮する。
参考文献