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第 387 回 東京レントゲンカンファレンス[2018年10月25日]

症例8 40歳代 女性:右側が見えにくい、幻視
クロイツフェルトヤコブ病
creutz feldt-jakob disease


 Creutzfeldt-Jakob病

・孤発性CJD
遺伝性プリオン病
・獲得性プリオン病

・遺伝性プリオン病はプリオン蛋白をコードするプリオン蛋白遺伝子の変異により生じるプリオン病で、主な臨床症候により孤発性CJDに類似の症候を呈する遺伝性CJD、脊髄小脳変性症や痙性対麻痺などに類似した経過が数年と長いGSS、視床型孤発性CJDに似て不眠など自律神経症状が目立つFFI、その他に大別される。末梢神経障害を示す変異もあり臨床スペクトラムは非常に広汎である。
*GSS:Gerstmann-Strassler-Scheinker   FFI:fatal familial insomnia

・多数の遺伝子変異が知られているが、日本ではV180I、M232R、E200K、P102Lで大半を占める。
・普通は常染色体優性遺伝性であるが、 V180I、M232Rはほとんど家族発症がなく孤発性CJDとして発症するため遺伝子検査をしなければ診断はつかない。
・遺伝性プリオン病も感染性はあるため、孤発性CJDと同様な注意が必要である。
・本症例においても髄液のさらなる遺伝子解析の結果、M232Rに変異が見つかり、遺伝性CJDの診断に至った。
・画像上は孤発性CJDのHindenhein variant に類似の所見である。

 

 


参考文献

  • 土屋一洋;頭部画像診断パーフェクト
  • 岩崎靖;プリオン病ガイドライン 2017
  • 浜口毅;プリオン病の臨床像と疫学 臨床神経学 53巻11号