第 389 回 東京レントゲンカンファレンス[2019年1月24日]
孤立性線維性腫瘍 solitary fibrous tumor |
Solitary fibrous tumor of the orbit |
・稀な間葉系の紡錘形細胞腫瘍
・胸膜発生が多いが、全身に発生しうる
(眼窩発生は比較的稀)
・境界明瞭で、錐体内・外いずれにも発生
Kim HJ et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2008 May;29(5):857-62.・T2強調像は不均一
・Dynamic 造影
・T2高信号部(細胞成分++)⇨ fast-washout
・T2低信号部(繊維成分++)⇨ 漸増性
Yang BT et al. AJR Am J Roentgenol. 2012 Oct;199(4):W506-11.
Ectopic orbital meningioma |
・Ectopic(異所性)、もしくはextradural(髄膜外)
・石灰化、骨の肥厚/硬化をきたすことあり
・CT、MRIの所見は通常の髄膜腫と類似
・視神経の髄膜と連続性のない眼窩内髄膜腫
Gündüz K et al. Surv Ophthalmol. 2014 Nov-Dec;59(6):643-8
Solitary fibrous tumor | Ectopic orbital meningioma (typical) |
Inflammatory pseudotumor | |
発生部位 | どこでも | どこでも | どこでも |
境界 | 明瞭 | 明瞭(時に不明瞭) | 不明瞭 |
石灰化 | (あり) | あり | なし |
CT値 | 筋と同程度 | 高吸収(75%) | 筋と同程度 |
T2強調像 | 不均一(低〜等) | 均一 | やや高信号 線維化で低信号 |
造影効果 | 強く不均一 Dural tail sign(50%) |
強く均一 Dural tail sing |
中等度〜高度 均一 |
Dynamic造影 | 線維化部は漸増性 富細胞部はfast+washout |
Fast-washout? | 漸増性 |
隣接する骨の変化 | 見られることもある | 骨硬化、肥厚(約20%) |
SFTの石灰化について |
・34例中に3例(9%)に認めたが、眼窩の症例なし
Wignall OJ et al. Am J Roentgenol. 2010;195:W55–62.・眼窩のみのまとまった症例報告でも石灰化は認めなかった
Kim HJ et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2008 May;29(5):857-62.
Yang BT et al. AJR Am J Roentgenol. 2012 Oct;199(4):W506-11.・石灰化は軽微で、散在性、部分的な場合が多いが、稀に著明な石灰化を伴うこともある
Take Home Message |
・眼窩のSFTも粗大な石灰化をきたすことがある
・眼窩内には、異所性髄膜腫が生じうる
参考文献