重複大動脈弓に伴う気管狭窄 tracheal stenosis associated with double aortic arch(type C) |
画像所見 |
胸部単純写真 | 食道造影 |
気管の左側への偏位と狭小化 | 食道に圧排所見 |
胸部造影CT |
3D再構成 |
鑑別診断
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・右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常
・重複大動脈弓+左側大動脈弓の部分閉鎖(痕跡的大動脈弓)
鑑別診断のポイント
➀ 左総頸動脈の走行
➁ 総頸・鎖骨下動脈の配置(胸郭入口部レベル)
大動脈弓の発生異常に伴う臨床上の問題点 |
・血行動態に影響を与えるか・・?
→基本的に影響は少ない
・気道・食道の圧迫症状が問題!
気道狭窄,喘鳴,呼吸苦,嚥下困難etc.
血管輪 vascular ring | |
大動脈弓とその分枝血管が輪状に 代表的な病型 |
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大動脈弓の発生とリモデリング 計6か所の存続・退縮が重要 |
Edwardsらは
重複(両側)大動脈弓 + 両側動脈管 を基本型とした理論的模式図を構築
重複大動脈弓 |
左右第4弓と背側大動脈第8分節が存続 分枝は対称的(four-vessel, four artery sign) 右側大動脈弓→右総頸・鎖骨下動脈 左側大動脈弓→左総頸・鎖骨下動脈 がそれぞれから分岐 血管輪(左・右側大動脈弓)を形成 先天性心疾患の合併は稀 どちらかが太く発達し,反対側が細い場合 優位(太い方)、劣位(細い方)大動脈弓 ※右側=優位,左側=劣位のことが多い ⬇ 劣位側が部分的に閉鎖し,索状構造として残存する場合 痕跡的大動脈弓 ・痕跡的大動脈弓の位置で分類 近位型(Type C・D):起始部〜左第4弓、頻度少ない 遠位型(Type A・B):左背側大動脈第8分節、頻度多い |
右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常
分枝は非対称的
右側大動脈弓→左・右総頸,右鎖骨下動脈
左側大動脈弓(Kommerell憩室)→左鎖骨下動脈 がそれぞれから分岐
血管輪(右側大動脈弓−左動脈管)を形成
先天性心疾患の合併は稀
Take home points |
・大動脈弓の発生異常の内、血管輪を形成し症状を呈するものがある(重複大動脈弓,右側大動脈弓+左鎖骨下動脈起始異常etc.)
・一見、右側大動脈弓に見える症例が、実は重複大動脈弓かも知れない
・痕跡的大動脈弓を伴う重複大動脈弓の読影においては、総頸・鎖骨下動脈に注目
➀ 屈曲・牽引像を伴うか
➁ 左右対称か(four-artery or four-vessel sign)
参考文献
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