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第 393 回 東京レントゲンカンファレンス[2019年6月27日]

症例2 40歳代 男性:血痰
気管気管支骨軟骨異形成症
tracheobronchopathia osteochondroplastica

 

 鑑別疾患

・再発性多発性軟骨炎
・気管・気管支アミロイドーシス
・多発性血管炎性肉芽腫症
・気管・気管支結核
・気管癌
・気管・気管支骨軟骨異形成症

 

 気管気管支骨軟骨異形成症

・膜様部を除く気管および気管支の粘膜下組織に骨・軟骨組織が異所性に形成され、多発する小結節を認める良性疾患1), 2)
・頻度は本邦で130例、欧米で300例程度と比較的稀 3)
・本邦の報告では年齢は平均57歳(30-84歳)、男女差はなし、症状は咳嗽、血痰、喀痰など非特異的 4)
・確定診断は気管支鏡ないし外科的生検による骨組織, 軟骨組織の証明
・病理組織では上皮下に異所性の骨、軟骨組織の存在や扁平上皮化生、リンパ球の浸潤・集簇などの慢性炎症所見が特徴
・胸部レントゲンでは所見に乏しい
・胸部CTでは、気管支壁の石灰化や骨と同等の濃度を有する結節の内腔面への突出が特徴的だが、
 病変は気管前側壁のみ限局し、膜様部には見られない

・気管支鏡検査では膜様部を除く気管、気管支壁に半米粒大の白色の結節が散在し、粘膜は易出血性を呈する
・粘膜面に毛細血管の増生や怒張を認めたという報告もある5)
・疾患の病因は不明6)
・予後は一般に良好で, 感染や炎症に対する対症療法がメインとなる7)

 

 


参考文献

  1. Wilks S. et al. Trans Pathol Soc London. 1857. 8: 88.
  2. Secrest PG. et al. AM J Med. 1964 ;36:815-8.
  3. Hisashi I.Et al JJSB(気管支学) 1996.20(6):493-497
  4. Fujimoto K, et al. J JPN Soc Bronchol 1991.13: 650-658.
  5. Kubota Y , et al. The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy 2018. 40: 449-453.
  6. Tajima K. et al. Virchows Arch. 1997:431:359-363
  7. Jindal S. et al .Radiol Case Rep 2013; 7:16-25