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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第403回症例 症例:呈示
第 403 回 東京レントゲンカンファレンス[2023年9月28日]
症例3 70歳代 男性
孤立性線維性腫瘍
solitary fibrous tumor

 

 画像所見のまとめ

・トルコ鞍内から右海綿静脈洞・蝶形骨洞に進展する占拠性病変
・CT:骨格筋と等吸収、境界明瞭
・T1強調像::灰白質より高信号
・造影(dynamic)T1強調像:早期増強効果、dural tail sign、下垂体柄の挙上・屈曲
・T2強調像::大部分は不均一な等〜低信号、一部が高信号
-低信号域(線維成分)高信号域(細胞成分)いずれにも増強効果を認める
-増強効果を示す高信号域various cellular components (myxoid, relatively fresh fibrosis etc) が示唆される

 

 鑑別疾患

・下垂体腺腫
・髄膜腫 
・孤立性線維性腫瘍
・ Pituicytoma/Granular cell tumor/Spindle cell oncocytoma

右蝶形骨洞から生検

病理組織診断結果

類円形核と淡明〜好酸性核を有する細胞が上皮様胞巣を形成して増殖
血管周囲のロゼット様構造
ごく少数の核分裂像
異型細胞にSTAT6(+), CD34(-),EMA(-),S100(-)

トルコ鞍部発生の孤立性線維性腫瘍

 

 孤立性線維性腫瘍の疫学と臨床

・間葉系細胞由来の spindle cell neoplasm
・線維芽細胞様細胞からなる間葉系腫瘍 
・発生部位:胸膜原発が多いが、全身のどこにでも発生しうる
・良性が80%、悪性が20%
・治療は原則的に外科的摘出術

 

  孤立性線維性腫瘍の画像と病理

・線維成分、細胞成分が混在
・悪性SFTでは辺縁不明瞭、周囲組織浸潤、壊死を認めることがある
・光顕的には紡錘形細胞の増殖を主体とし、紡錘形細胞と膠原線維が不規則な配列をとるpatternless patternが特徴的
STAT6が感度・特異度ともに最も高い
→NAB2-STAT6融合遺伝子がSFTのdriver変異 
→抗STAT6抗体による免疫染色が診断に有用

類円形・境界明瞭で筋と等吸収、石灰化や脂肪成分の含有はまれ
MRI
T1強調像:灰白質と比較して等信号〜高信号
T2強調像:T2強調像 にて“black-and-white mixed” appearance (yin-yang sign陽性)
  線維成分による低信号域細胞成分による高信号域の混在
造影(dynamic)T1強調像:
 線維成分が主体の部分 → 漸増性増強効果 
 細胞成分が豊富な部分 → 早期濃染と後期相での洗い出し

 

陰陽パターン

AJNR 2013 May;34(5):1067-71
AJR 2012 Oct;199(4)

 


参考文献

  • Frazier AA. AJNR Am J Neuroradiol. 2014 34(2):294.
  • Kim HJ et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2008 May;29(5):857-62.
  • Ginat DT, et al. AJR Am J Roentgenol. 2011 196:487-495.
  • Clarençon F et al. European journal of radiology. 2011 80(2):387-394

   
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Moderator: 草田 駿