第 404 回 東京レントゲンカンファレンス［2023年10月26日］
| 症例１ 40歳代 男性：左側腹部痛 |
| MiT ファミリー転座型腎細胞癌 MiT family translocation renal cell carcinoma |
| 鑑別診断 |
・乳頭状腎細胞癌
・嫌色素性腎細胞癌
・MiT ファミリー転座型腎細胞癌
・腎髄質癌
・集合管癌
・類上皮型腎血管筋脂肪腫
| MiT ファミリー転座型腎細胞癌（腎癌取り扱い規約第 5 版 2020） |
WHO 分類第 4 版（2016）
Xp11.2 転座型腎細胞癌と 6p21 転座型
腎細胞癌を総称
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WHO 分類第 5 版（2022）
TFE3-rearranged renal cell carcinoma
| MiT ファミリー転座型腎細胞 |
・成人腎細胞癌の 1.6～4 %
・腎細胞癌全体の中での頻度は稀だが、小児、若年者腎腫瘍の中では 40 %程度
・小児例に比べ、成人例ではより予後不良
・病理上、乳頭状腎細胞癌との鑑別が困難な場合がある
Nagashima Y, et al. Jpn J Clin Oncol 43: 233-242, 2013.
長嶋洋治 他, 外科病理学, 939, 2020, 文光堂
大江知里 他, 病理と臨床臨時増刊号 , 149-154, 2020, 文光堂
Liu K, et al. J Magn Reson Imaging 40:440-447, 2014.
Woo S, et al. AJR 204:542-549, 2015
| 画像所見 |
・単純CTで腎実質より高吸収(40HU以上) ー高い細胞密度、出血、石灰化
・内部不均一なことが多い(石灰化、嚢胞変性、壊死)
・腎実質相をピークに造影され、排泄相でわずかに洗い出しあり ーPapillary RCCよりも強い造影効果
・リンパ節転移、遠隔転移の頻度が高い
Woo S, et al. AJR 204:542-549, 2015
Kato H, et al. J Magn Reson Imaging 33:217-220, 2011.
| 結語 |
年齢や画像所見から転座型腎細胞癌の可能性を考慮することが重要である。
参考文献
- Kato H, et al. J Magn Reson Imaging 33:217-220, 2011.
- Woo S, et al. AJR 204:542-549, 2015
- Liu K, et al. J Magn Reson Imaging 40:440-447, 2014.
- Nagashima Y, et al. Arch Pathol Lab Med 139:1224-1233, 2015.