第 406 回 東京レントゲンカンファレンス[2024年1月25日]
| 症例6 70歳代 女性:咽頭痛 |
| メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患患者に生じたEBV陽性皮膚粘膜潰瘍 EBV-positive mucocutaneous ulcer arising in the patient with MTX-LPD |
| MTX-associated lymphoproliferative disorders(MTX-LPD) |
・メトトレキサート(MTX)投与中に生じたリンパ増殖性疾患の総称
・WHO分類におけるother iatrogenic immunodeficiency-associated LPDsの一部
・本邦からの報告が多い
・病理学的に様々な組織型のリンパ腫/リンパ増殖性疾患像を呈する
・他のリンパ腫と比べてEpstein-Barr virus(EBV)陽性率が高い傾向にある
・他のLPDsと類似の異常(発熱、リンパ節腫脹、CRP・LDH・sIL-2R高値)
・節外病変の見られる頻度が高い(皮膚、鼻咽腔、肺、肝、消化管等)
・MTX休薬による自然退縮が期待できる(30~70%)
・最大退縮効果は8週以降にみられることが多いと報告されている
・自然退縮しなかった例では化学療法が施行される
・EBV陽性例で自然退縮しやすい傾向にある
| EBV-positive mucocutaneous ulcer(EBVMCU) |
・免疫抑制下で皮膚、粘膜に生じる限局性の潰瘍
・2017年のWHO分類より独立した疾患概念として扱われている
→既存のImmunodeficiency-associated lymphoproliferative disordersと異なる
・臓器移植後、AIDS、先天性免疫異常、老化等が原因
・MTX等の免疫抑制薬使用で発症した症例も報告されている
・口腔咽頭、皮膚、消化管の順に頻度が高い
・単独病変であることが多い
・一般的に他臓器病変を伴うことはない
・EBV陽性の異型Bリンパ球を伴う
・Hodgkin細胞/Reed-Sternberg細胞様の細胞もみられる
・免疫抑制薬の休止で自然退縮がみられる(>90%)
→Immunodeficiency-associated lymphoproliferative disordersより予後が良い
| 結語 |
・MTX使用時など様々な免疫抑制状態ではリンパ増殖性疾患が鑑別となる
・新たにEBVMCUという疾患概念が提唱されている
・既往歴、治療歴の確認が重要
参考文献