| 眼部帯状疱疹による視神経周囲炎 optic perineuritis caused by herpes zoster ophthalmicus |
| 所見 |
・右視神経鞘から眼球後部に沿った造影効果
・周囲の右眼窩内脂肪組織の淡いT2延長や造影効果を伴う
・視神経自体に造影効果、信号変化はみられない
⇒視神経周囲炎
・右涙腺の腫大・造影効果の亢進⇒涙腺炎
・右眼瞼を中心とする皮膚の肥厚・造影効果
⇒皮膚病変の存在を示唆
| 臨床経過 |
・1週間前から、額中心〜右側にかけて発疹あり
・現在はかさぶたになっている
・L/D:VZV IgM, IgG陽性
⇒アシクロビルを一週間投与し、頭痛や充血は改善したため、退院された
フォローMRIはなく、現在まで再発は認めない
診断:眼部帯状疱疹による視神経周囲炎+涙腺炎
| 視神経周囲炎 |
・視神経周囲炎とは、視神経の周りに存在する硬膜などの視神経鞘に炎症が生じる疾患
・視神経の軸索や髄鞘に、炎症や脱髄が生じる視神経炎と区別する
・眼球後部で強膜と連続しており、強膜炎を認める場合がある
・視神経周囲炎のみでは非特異的な所見である
・Ex…感染(ウイルス, 梅毒, 結核...)、サルコイドーシス、多発血管炎性肉芽腫症、
Behcet病、自己免疫性(IgG4関連疾患, MOGAD…)など¹
・随伴症状により、多岐にわたる鑑別の中から診断に至る場合がある
| 眼部帯状疱疹による視神経周囲炎 |
・VZVは三叉神経節に潜伏感染
・免疫低下時に再活性化し、三叉神経を上行し、神経支配に一致した紅暈を伴う小水疱を認める
・皮膚から逆行性に視神経周囲炎を生じる2
・帯状疱疹を原因とした視神経周囲炎は基本的にまれ
・中枢神経障害を伴うVZV感染症患者において免疫正常者では44%(8/18例)で視神経周囲炎の画像所見を認めた3
・視神経周囲炎の発症時期
・通常、皮膚病変は眼病変の出現に先行、もしくは同時にみられる4
・皮膚病変の5-14日後に眼病変が発生4
・眼部帯状疱疹の内服加療から1ヶ月後に視神経周囲炎を発症した例の報告もある5
・時間の経過した皮疹でも、MRI上では皮膚所見を認めうる
・本症例のように視診上では皮疹が痂皮化していても、MRIでは所見が残っている可能性がある⇒皮膚所見も確認する
・典型的な皮疹に眼症状が先行する場合もある4
・眼病変発症から皮疹出現までの出現の中央値は6日(2-10日)
・画像所見では外眼筋炎、眼窩脂肪織炎、涙腺炎、視神経周囲炎を認めうる
⇒皮疹を伴わない症例でも、視神経周囲炎の鑑別に帯状疱疹を挙げる必要がある
| 結語 |
・視神経周囲炎の鑑別は多岐にわたるが、皮膚の所見を伴えば、帯状疱疹の関与の可能性を指摘しうる
・皮疹を伴わない症例でも、視神経周囲炎の鑑別に帯状疱疹を挙げる必要がある
参考文献
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