●症例 3  50歳代 男性

●確定診断:
Churg-Strauss syndrome(CSS) [アレルギー性肉芽腫性血管炎]

主要所見
 1. 気管支喘息
 2. 末梢好酸球増加
 3. 血管炎症候群
参考となる検査所見
 1. 白血球数増加(10000/ml<)
 2. 血小板数増加(400000/ml<)
 3. 血沈亢進(60mm/h <)
 4. 血清 IgE 増加(60U/ml <)
 5. リウマトイド因子陽性
主要所見 3 項目をすべて満たし、1,2 が先行して 3 が発症し、参考となる検査所見のいずれかが陽性ならば確定診断。

臨床所見
 1. 喘息:通常の喘息と比べて、比較的発症が遅い(平均 32 歳)
 類縁疾患の Wegener's granulomatosis や polyarteritis nodosa との鑑別の手がかりとなる。
 2. 末梢血の好酸球増多:通常の喘息でも上昇するが、CSS の方が上昇の程度が高度。
 3. 慢性好酸球性肺炎は喘息と好酸球増多を認めるが肺外病変を欠く。
 4. 心臓は CSS の target organ で、CSS の死因の約半数を占める。
 5. 神経症状は、多くの場合、多発性単神経炎として認められ、脳神経症状は稀れ。

肺のCT 所見
 1. 浸潤影ないしすりガラス状陰影
  病変分布は、末梢主体>random
  特に好発する肺野はなし。
 2. 気管支壁肥厚ないし気管支拡張
  1.に伴って見られることが多い。
 3. 多発結節影:小葉中心性小結節、3cm 以上の結節、空洞を伴う結節(稀)など様々。
 4. 少量の胸水貯留、心嚢液貯留。
 5. 小葉間隔壁肥厚
 6. 肺門・縦隔リンパ節腫大
1.が主な所見。4 〜 6 は比較的稀な所見。鑑別診断は、慢性好酸球性肺炎、BOOP、DIPなど。

参考文献
Chest 117:117-124, 2000.

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moderator : 竹政 和彦



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