症例3 60歳代 女性

主 訴:意識障害
現病歴:
突然の頭痛・嘔吐で発症
既往歴:
高血圧にて加療中
家族歴:
特記なし
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図1:脳単純CT
脳単純CT

脚間槽、迂回槽、四丘体槽などに高濃度域がみられ、くも膜下出血である。出血は第四脳室から側脳室へ逆流し、水頭症を合併している。出血はテント下で目立つ。シルビウス裂にはみられず、くも膜下出血としては非典型的である。

 
図2:頚髄MRI 
頚髄MRI:T1強調矢状断像T1強調矢状断像

頚髄MRI:T2強調矢状断像 T2強調矢状断像
C1〜4で頚髄が腫大し、髄内には広汎な浮腫がみられる。腫大はC2,3レベルで強く、T1・T2強調像とも軽度高信号部分がある(→)。頚髄背側にT1強調像で点状低信号を認める(▲)。

頚髄MRI:造影T1強調矢状断像 造影T1強調矢状断像
C2〜3レベルの頚髄に強く造影される半球状の病変がある(*)。背側にはT1強調像同様、点状低信号を認める(▲)。

頚髄MRI:造影T1強調横断像 造影T1強調横断像
病変の主座は脊髄背側で、髄内腫瘍と考えられる。背側部に横走する線状の低信号を伴う(▲)。

 
図3:血管造影
血管造影

腫瘍は早期より濃染し、遅延相でも造影効果を示す(*)。背側には流出静脈を認める(▲)。
 
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 moderator : 浮洲龍太郎



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