●症例2 60才代 男性

診断;Tectal Glioma

Tectal Glioma
・Low grade astrocytoma in tectum

  中脳蓋部に発生する.
  脳幹に発生するglioma の約 8 %.
  悪性度は低い.
  小児に多く (80% 以上)、成人ではほとんどが若年者 (30歳以下).
・Brainstem glioma in adult
  脳幹部に発生するglioma
  成人では数%以下 (小児では12-15 %).
  多くは橋に発生し、悪性度が高い.

・画像所見:Low grade gliomaに順ずる
 Tectumの腫大による水頭症所見を呈する.
 MRI T2 強調画像で中脳蓋部に高輝度信号
 造影効果は示さない.
 診断には矢状断像が理解しやすい.

・治療
原則として水頭症に対するシャント術、第三脳室開放術を行う.
放射線療法、化学療法は行わない.

・予後は良好
水頭症の増悪、腫瘍の増大を認めたという報告もある.

・本症例は発症、画像所見は典型的であったが、年齢が高齢であり、稀と考えられた.
・発生部位が特異であるため、診断は比較的容易である.

参考文献
Pediatric Neurosurg 2000 Jan;32(1):24-9  
Tectal gliomas: natural history of an indolent lesion in pediatric patients.Bowers DC

Neurol Neurochir Pol 1999 Jul-Aug;33(4):847-55
Benign tectal tumors: clinical and neuroradiological correlations Daszkiewicz P

Brain 2001 Dec;124(Pt 12):2528-39
Brainstem gliomas in adults: prognostic factors and classification.Guillamo JS

Neurosurgery 2002 Apr;50(4):735-8; discussion 738-40
Management strategy for adult patients with dorsal midbrain gliomas.Yeh DD

 
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 moderator : 榎本京子



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