症例 5 30歳代 女性

●確定診断:大腸癌、卵巣転移


Colon Fiber
術前検査のため行われた大腸鏡で下行結腸に全周性の2型の腫瘍が認められ、Biopsyの結果、Group 5の高分化型腺癌と診断されました。
下行結腸癌、卵巣転移の診断にて手術が施行されました。

転移性卵巣腫瘍について
・比較的若年者に多い
・卵巣上皮性悪性腫瘍の約7〜15%
・3〜20%は原発巣に先行して発見される
・原発巣の割合
  胃癌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 約40%
  大腸癌・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 約30%
  その他(乳癌・膵癌など)・・・・・ 約30%
★近年の結腸癌の増加に伴い、結腸癌の転移例が増加してきている

大腸からの転移性卵巣腫瘍について
・画像所見
・ 多房性嚢胞性である
・ 充実成分と多様な信号強度を示す嚢胞成分が混在
・ 出血・壊死・粘液がT2強調像で著しい低信号を示す
・ 胃癌に比べ片側性が多い(約40%)
・→原発性粘液性嚢胞腺癌との鑑別が問題

画像上、粘液性嚢胞腺癌を疑った場合、卵巣原発粘液性嚢胞腺癌の頻度が低いことからも転移性腫瘍を考慮して読影に当たる必要がある。

 
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 moderator : 松永敬二
         大森智子、瀧川政和



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