症例8:40歳代 男性

主 訴:発熱
現病歴:
16年前クローン病にて回腸部分切除術・左側結腸切除術施行。
10年前吻合部再発を認め,内服治療にて経過観察。小腸,大腸間に複雑な瘻孔形成。時々発熱し,1日で解熱という経過を繰り返していた。
38℃台の発熱が認められたため受診。微熱(37.5℃),血小板減少,肝機 能障害,黄疸を認め,腹部USにて肝脾腫,リンパ節腫大を認めたため,入院となった。
理学所見:腹部所見に特に異常なし
入院時検査所見:
WBC 7.4×103/μl (Neut 92.6%)
RBC4.86×106/μ  lHb 14.8 g/dl  Ht 45.0 %  Plt 16.5×104
T.bil  3.0 mg/dl  ALP 682 IU/l  D.bil 2.1 mg/dl  LDH 221 IU/l
GOT 103 IU/l  Amy 57 IU/l  GPT 148 IU/l  CRP-QT 13.2 mg/dl
ACE 5.8 IU/l  ツベルクリン反応:陰性
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CECT (early phase)

著明な肝脾腫,上腹部リンパ節腫大を認める
 
delayed phase

肝内に明らかな腫瘤性病変は認められない
 

骨盤腔内の小腸には壁肥厚と癒着を認めるが,瘻孔や膿瘍形成は認めない.腹水貯留は認めない.
 
 
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moderator : 佐々木真弓,小谷承子,磯部義憲


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