症例2 30歳代 女性
解答:気管支結核
追加情報
紹介医の添書で喀痰塗抹陽性の記載あり
入院時喀痰塗抹でガフキー7号
喀痰培養およびPCRにて結核(+)
入院後の気管支鏡にて左底区気管支幹に狭窄あり、周囲に痰の付着とポリープ様の構造を認める。B8入口部は同定できず


その後の経過
抗結核薬4剤投与にて症状は改善し、排菌も陰性化した 9ヶ月後のCTでは以前見られた気管支壁肥厚、内腔狭小化、B8の閉塞、末梢の無気肺に改善・縮小が見られる

S8領域の過膨張はやや残存するが、同部の気道散布性の微細な粒状影は消失している

気管・気管支結核

【概念】区域性気管支より中枢の気管・気管支に生じた結核性病変
【疫学】肺結核症例の33%、女性に多い(男の2.6-3.6倍)1次結核と2次結核のいずれにも起こり得る
【成因】

  1. 肺病巣からの誘導気管支を介した進展
  2. 傍気管支のリンパ節の結核性病変が気管・気管支に波及・穿破
  3. 気管支壁内へのリンパ行性進展

【症状】咳嗽、喀痰、発熱、喘鳴: 頑固で長引く咳が特徴  
臨床の現場ではしばしば咳喘息と間違われることもあり
【診断】排菌陽性率が高い
胸部単純X線写真では気管支の病変が縦隔肺門陰影に隠れ、診断の遅れが多いことが問題・・・・CTが有用
確定診断は気管支鏡によりなされることが多い
【治療】通常の肺結核と同じ
【予後】化学療法後の瘢痕収縮による気道狭窄が問題

気管支結核の画像所見

【胸部単純X線写真】
気管支の狭窄、患側肺門部の異常影、末梢肺野の異常影や含気低下
  ---縦隔や肺門陰影との重なりで見落とされやすいので注意
【CT】
気管、気管支壁の肥厚と内腔の狭小化
気管内腔のポリープ状の低吸収構造
気管支閉塞
その末梢の区域性・亜区域性の無気肺、浸潤影、空洞、粒状影

鑑別診断
  • 肺門部型肺癌
  • アミロイドーシス
  • 再発性多発軟骨炎
  • Trachepathia osteochondroplastica
  • Wegener肉芽腫症

 など

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Moderator : 志多 由孝