本症例では
・進行する多発神経症状。
・T2強調像にて亜急性に進展する高信号域。
・DWIにて、梗塞を反映した高信号。
などが、IVLの中枢神経系病変に一致する所見。
・10/30の造影CTにて、左尿管周囲に、尿管閉塞を伴わない腫瘤が認められており、ここから
lymphomaの可能性→
頭蓋内所見:Intravascular lymphomatosis とのsuggestionが可能であったかもしれない。
CNS IVLと左尿管DLBCLの関係
・典型的なIVLは、
「臓器実質への浸潤はまったく、あるいはほとんどない。」といわれる。
・IVLが他の悪性リンパ腫(solid NHL)と同時に,あるいは先行、または後発して、発症した報告があり、 1つの病態として捉えることが出来るのかもしれない。
・本症例において、免疫染色の結果はすべて一致しており、1つの病態として考えても矛盾しない。
・ただし、推測の域を出ない。
IVLの鑑別疾患
・脳血管性認知症
→ IVLと比較し、進行が緩徐であり、より高齢者に多い。
・血管炎
→ IVLよりも若年(30〜50歳代)に多い。
・gliomatosis cerebri
→ 病変に占拠性効果を伴う。腫瘤様病変や髄膜の増強効果はIVLよりまれ。
・神経サルコイドーシス