第303回 東京レントゲンカンファレンス
2008年03月27日開催

症例3 5歳未満 女児

画像所見

両側対称性の「蝶形」高信号域
U-fiber は保たれている
内部に「虎斑様、豹柄様」所見

 

 

 

 

脳梁の高信号

 

 

 

 

 

T2WIで白質に対称性融合状の高信号域を呈する疾患

  • Pelizaeus-Merzbacher 病
  • Alexander 病
  • 副腎白質ジストロフィ
  • 異染性白質ジストロフィ
  • Canavan 病
  • Krabbe 病
  • TORCH
  • Pseudo-TORCH

診断:

白質の対称性病変
+U-fiber が保たれている
+虎斑様、豹柄様パターン

= Dx:異染性白質ジストロフィ

異染性白質ジストロフィ

【疫学】 常染色体劣性遺伝  1/4万人
【病態】 ライソソーム病
 アリルサルファターゼAの活性障害
 ⇒ サルファターゼが乏突起膠細胞に蓄積
 ⇒ 広範な脱髄
【診断】
 尿中サルファターゼ ↑ 
 白血球内のアリルサルファターゼA活性 ↓
【分類】
 Late infantile(生後半年〜3歳で発症)・・・80%
 Juvenile(4〜16歳で発症)
 Adult form(16歳以上で発症)
【治療】
 骨髄移植
  ⇒ 移植された細胞によるアリルサルファターゼA産生
 酵素補充療法は無効

画像所見

  • 両側大脳白質の対称性融合状T2↑
      ⇒ “butterfly-shaped”
  • 初期:血管周囲腔は保たれる
      ⇒ “tigroid or leopard pattern”
  • U-fiber、内包、脳梁、錐体路・・初期は保たれる
  • DWI:active な脱髄の辺縁が高信号

 

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Moderator:長沼 通郎