第304回 東京レントゲンカンファレンス
2008年04月24日開催

症例7 40歳代 女性
 

膝部単純MRI

 

鑑別診断

1)静脈由来の病変
・静脈リンパ管性血管奇形、海綿状血管腫
・静脈瘤、静脈性血管瘤
・腫瘍:血管内皮腫、血管平滑筋腫
2)静脈に近接した病変
  ガングリオン、血腫

 

VENOGRAPHY

 

US 壁肥厚や瘤内血栓なし

診断:大伏在静脈の venous aneurysm (静脈性血管瘤)

 

venous aneurysm (静脈性血管瘤)
・定義:静脈の限局性拡張
・頻度:稀(下肢静脈瘤US精査の0.1%)
・男女差:女性に多い
・年齢:多岐に渡る
・形態:嚢状、紡錘状
    孤立性が多い
・成因:不明
    静脈壁の脆弱性、外傷、炎症、変性など
・部位:内頚静脈、門脈、大伏在静脈、膝窩静脈、上腕静脈など
・症状:腫瘤触知(軟部組織腫瘤と間違えやすい)
    疼痛
    肺塞栓症(血栓形成による膝窩静脈瘤の約25%)
・MRI:静脈拡張像、静脈を取り巻くcystic lesion
・US, VENOGRAPHY:静脈と連続する瘤と内部血流

 

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Moderator:荒木 潤子