第311回 東京レントゲンカンファレンス
2009年2月26日開催
症例6 40歳代 男性
 
  炎症性筋線維芽細胞性腫瘍
inflammatory myofibroblastic tumor(IMT)
 
所見
・主座は横隔膜もしくは横隔膜下
・内部に壊死組織を含む炎症性腫瘤
・炎症反応とともに増大縮小する
・DDx
  膿瘍
  腫瘍内壊死を含む腫瘍

 

鑑別  
【膿瘍】 【腫瘍】

・横隔膜下膿瘍
  先行する原因疾患・兆候がない
・炎症性偽腫瘍

・横隔膜発生の腫瘍
  横紋筋肉腫
  MFH(inflammatory type)
  hydatid cyst
・腹腔内発生の腫瘍
  MFH(inflammatory type)

 

手術所見
・腫瘤は横隔膜に存在
・肝左葉外側区に浸潤を認める
・心嚢の一部、横隔膜、肝左葉外側区を合併切除

 

肝臓 abscess 腫瘍1
弱拡
肝実質と腫瘍境界部
好中球浸潤、壊死組織 背景に慢性炎症細胞浸潤を伴うが、紡錘形細胞が束状、渦巻き状に配列する。  
cytokeratin αSMA ALK:anaplastic
lymphoma kinase
大部分が陰性 紡錘形細胞の多くで陽性 negative

炎症性筋線維芽細胞性腫瘍
inflammatory myofibroblastic tumor(IMT)

従来 inflammatory pseudo tumor等の名称で呼ばれていた疾患群の中で、
時に遠隔転移をきたすことがある良悪性中間型腫瘍

定義
・筋線維芽細胞の特徴を示す紡錘形細胞の増殖から成り
 主にリンパ球や形質細胞などの炎症細胞浸潤の著明な腫瘍
・真に腫瘍性性格が備わっているか否かについては
 病理組織学的にも判断が困難
・炎症細胞浸潤の著明な反応性ないし
 炎症性の腫瘤様病変(炎症性偽腫瘤)との区別は容易ではない
・近年ALK(anaplastic lymphoma kinase)の発現がIMTの診断に活用さ
 れているが、すべてのIMTがALK発現をするわけではない
・膿瘍に対する反応性変化を見ていたものでないと判断することは、
 実際困難であるが、紡錘形細胞の配列からは腫瘍性病変の性格を強く
 疑う症例であった

 
 

症例提示ページへ


Moderator:藤川 あつ子