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第327回東京レントゲンカンファレンス
2011年2月24日
症例2 40歳代 女性
   

脳腱黄色腫
cerebrotendinous xanthomatosis


【画像所見】
・小脳歯状核から白質の対称性低吸収域及び萎縮(CT)
・小脳歯状核から白質にT2WIで高信号域、FLAIRで高信号と低信号域、T1WIで低信号域
・中脳の錐体路にT2WIとFLAIRで高信号域
 いずれも左右対称性の所見

歯状核がT2WIで高信号を呈する病態
・脳腱黄色腫
・乳児Refsum病
・L-2-hydroxyglutaric aciduria
・Wilson病
・神経線維腫症1型
・Erdheim-Chester病
・Langerhans細胞組織球症
・1型グルタン酸尿症
・メトロニダゾール脳症

対称性に錐体路異常を認める疾患(主に若年・中高年や全年齢に発症しうる疾患)
・トルエン(シンナー)中毒
・脳腱黄色腫
・Waller変性
・副腎白質ジストロフィー
・Krabbe病
・Wilson病
・浮腫
・多発性硬化症
・Behcet病
・筋萎縮性側索硬化症
・HTLV-1関連症候群、成人T細胞性白血病性脊髄症
・慢性肝性脳症


【診断】

・小脳歯状核、錐体路の対称性異常
・症状:若年性白内障、知能低下、緩徐な歩行障害の進行

 

脳腱黄色腫


脳腱黄色腫(Cerebrotendinous xanthomatosis)
CTXは1937年にvan Bogaertらにより最初に報告。
疫学発病率:20-30人/10万人、性差なし、発症年齢40歳代にピーク(10歳以下は少ない。
血清コレステロールが正常から高値で、還元体であるコレスタノールが高値で、末梢神経・脳・腱に結節状に沈着。
本疾患の本体は、P450 27の遺伝的欠損症であることが分子生物学的に明らかになった。
本症例では一般的に黄色腫はアキレス腱に見いだされ、主訴として来院することが多い。その他、若年性白内障、知能低下、痴呆、緩徐な進行性の神経症状。
治療はケノデオキシコール酸の大量投与

 

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Moderator:山口 英宣