肺カポジ肉腫
Kaposi's sarcoma |
病歴、検査所見のまとめ
・40歳代、男性
・数ヶ月の間に徐々に進行する呼吸困難
・HIV陽性、CD4陽性リンパ球低下
・軽度の炎症反応、可溶性IL-2レセプター陽性
・腫瘍マーカーは概ね陰性
・両下肢、鼠径部、体幹部に黒色皮疹が多発
画像所見のまとめ
・両肺に多発する不整形のconsolidation、nodules
・いずれも気管支血管束に沿って分布
・小葉間隔壁の肥厚
・腋窩に小リンパ節
・胸水貯留なし
・1ヶ月の間で陰影はほぼ不変〜わずかに増悪
左B3cよりTBLB | |
▲ HE弱拡 | ▲ HE強拡 |
▲ HE強拡 | ▲ CD34 |
▲ D2-40 |
▲ HHV-8 |
カポジ肉腫 (Kaposi's sarcoma)
要因: | Human Herpesvirus 8 (HHV-8) 感染 |
分類: | classic endemic (African) iatrogenic (organ transplant-related) AIDS-related |
AIDS関連は、90年代前半を境に減少傾向(約15%)→ HAART (High activated antiretrovirus therapy) の発達 |
肺カポジ肉腫
血管内皮由来で、通常は皮膚カポジ肉腫に続発する
肺病変はカポジ肉腫全体の20%
出血や気道閉塞により致死的なことも
画像所見:
・ 辺縁不整なconsolidation
・ 不整形のnodules
・ 気管支血管束に沿って分布
・ 縦隔リンパ節腫大
・ 胸水貯留
・ Tlシンチにて positive、Gaシンチにて negative
▼ 12月中 | ▼ 2月初 |
【動脈血ガス検査】 (12月中)
pH 7.467 PaO2 62.4 mmHg PaCO2 30.7 mmHg
AaDO2 49.5 mmHg
【 呼吸機能検査 】 (12月中)
VC 121.8% FEV1.0 110.5% DLCO 68.8%
【心臓超音波検査】 (12月中)
左室壁運動 :正常 駆出率:正常 MR : mild TR : trace 肺高血圧(ー)
≪≪症例提示へ戻る |