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第334回東京レントゲンカンファレンス
2012年2月23日
症例7 50歳代 女性
    慢性炎症性脱髄性多発神経炎
chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP

 

【現病歴】数年前から足のふらつき、階段の昇降の困難さが徐々に増悪したため、当院神経内科受診となる。→非常に経過が長い
【家族歴】特記すべきことなし
【嗜好歴】以前アルコール3合/日 現在は機会飲酒

【来院時神経学的所見】
・MMT:下肢筋力の低下を認める。
・反射:上腕二頭筋及び三頭筋反射減弱、膝蓋腱反射消失、アキレス腱反射消失、Babinski反射なし
・知覚系:両足関節遠位で感覚障害を認める。

【血液検査】いずれも異常なし

【検査】
・神経伝達検査(NCS:nerve conduction study) :両側前脛骨神経、腓骨神経の伝導速度の低下
・髄液検査:細胞数の増加無し、蛋白濃度の増加を認める。

 

 

 T1WI    T2WI    
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・肥厚した神経は低信号を示す。
・腰髄レベルで神経根より末梢で
 肥厚を認める。

 

・肥厚した神経は軽度高信号を示す。

 

・両側神経根から末梢で肥厚が認められる。

 

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・肥厚した神経は造影効果を有する。

 

・肥厚した神経には造影効果が認められる。

 

 

疾患概念・2ヶ月以上にわたる慢性進行性、再発性の左右対称性の四肢の遠位、近位筋の筋力低下・感覚障害を主徴した原因不明の末梢神経疾患。 ・病因は末梢神経ミエリンの構成成分に対する自己免疫性疾患と考えられているが、詳細は不明である。

 

診断 ・臨床:慢性経過の筋力低下、感覚障害
 除外項目として多発神経炎を説明できる明らかな基礎疾患、薬物使用、類似疾患の遺伝歴
・神経伝導検査(2本以上の運動神経で伝導低下)
・神経生検(脱髄と再髄鞘化)
・その他:脳脊髄液所見(蛋白細胞解離) MRI画像診断、免疫療法後の臨床的改善

 

CIDPのMRI画像診断 ・ 末梢神経や神経根または馬尾の肥厚は70%程度の患者に見られると報告されている。
・ T2WIでは70%程度で高信号を示し、多くは肥厚も伴っている。
・ T1WIでは50%程度で淡い高信号を示す。
・ 軽度の造影効果はほぼ全例で見られ、強い造影効果は 30%程度に認める 。
・ 末梢神経の肥厚+T2高信号が見られる症例では正常例(ADC≒0.9)と比べ有意に上昇(ADC≒1.5)する との報告がある。


Brachial and lumbar plexuses in chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy:MRI
assessment including apparent diffusion coefficient:Neuroradiology;(53),3-11,2011


末梢神経がびまん性に腫大する疾患 Traumatic
Inflammatory:Brachial plexitis、CIDP、Vasculitis
Infectious:pyogenic, viral, leprosy, others
Hereditary:CMT/HSMN
Radiation :plexopathy/neuropathy
Neoplastic and tumor variants:Neurofibromatosis NL、Perineuroma、FLH、MPNST、Amyloidosis

※CMT:Charcot-Marie-Tooth
HSMN:hereditary mortor and sensory neuropathy
NL:neurolymphomatosis  FLH:fibrolipomatous hamartoma
MPNST:malignant peripheral nerve sheath tumor

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Moderator:坂口 雅州