転移性精索(精巣)腫瘍(原発胃癌) spermatic cord metastasis from gastric cancer |
画像所見 |
【単純CT】
・右鼠径部に軟部濃度腫瘤
・右陰嚢内に液体貯留
【造影CT】
・造影後には右鼠径部の軟部腫瘤は淡く増強
【T2WI】
・T2強調像では右精巣は正常に描出
・右精索腫大
・右陰嚢内には液体貯留が見られます
・精巣上体もやや腫大
・精巣に腫瘤や異常信号域は指摘できない
【造影T1WI脂肪抑制】
・腫大した精索に均一な増強効果
・陰嚢壁の肥厚、増強効果
・腫大した精索に不均一な増強効果
・陰嚢壁肥厚あり、増強効果を伴う
【DWI】
・腫大した精索に一致して高信号
T2WI |
造影T1WI脂肪抑制 |
DWI |
画像のまとめ |
・左精巣、精索は摘出されている。
・CTで鼠径部から陰嚢内に連続する軟部腫瘤があり、増強効果を伴っている。右陰嚢内に液体貯留がある。
・MRIではDWIでは高信号である。
・造影後精索の棍棒状腫大、腫瘤の形成、増強効果がある。
・陰嚢皮膚にも増強効果を伴う肥厚がある。
精索腫瘍の鑑別診断 |
・Seminoma
・Metastatic timor
・Epididymitis
・Sarcoma
・Fibrosarcoma
・Leiomyosarcaoma
・Lipoma
・Fibroma
・Dermoid
・Lymphangioma
・Leiomyoma
高位精巣摘出術
・腫瘤検体:弾性硬・精管肥厚、割面白色均一、周囲との境界明瞭
・精巣検体:割面黄色、均一色調変化無し
病理
・精巣上体、精索にかけて、異型の強い腫瘍細胞が腺管の間質に索状に増殖。精巣実質内にもわずかに浸潤している。
・精巣上体周囲の血管、脂肪織に広い範囲で浸潤。
・胃癌の標本と比較し同様の腫瘍細胞を呈しており、胃腺癌の転移と判断する。
診断:胃癌の精索転移
Metastasic tumor of the spermatic cord from Gastric cancer
転移性精索腫瘍
・胃癌(70.4%)
・結腸・直腸(16.7%)
・膵癌(12.9%)
・腎癌
・前立腺癌
転移形式
・リンパ逆行性転移
・静脈逆行性経路
・動脈腫瘍栓からの転移
・播種からの進展
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