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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第338回症例症例:呈示
第 338 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年9月27日]
症例6 60歳代 男性 
 転移性精索(精巣)腫瘍(原発胃癌)
 spermatic cord metastasis from gastric cancer


 画像所見

【単純CT】
・右鼠径部に軟部濃度腫瘤
・右陰嚢内に液体貯留

【造影CT】
・造影後には右鼠径部の軟部腫瘤は淡く増強

【T2WI】
・T2強調像では右精巣は正常に描出
・右精索腫大
・右陰嚢内には液体貯留が見られます
・精巣上体もやや腫大
・精巣に腫瘤や異常信号域は指摘できない

【造影T1WI脂肪抑制】
・腫大した精索に均一な増強効果
・陰嚢壁の肥厚、増強効果
・腫大した精索に不均一な増強効果
・陰嚢壁肥厚あり、増強効果を伴う

【DWI】
・腫大した精索に一致して高信号

T2WI
造影T1WI脂肪抑制
DWI

 

 

 画像のまとめ

・左精巣、精索は摘出されている。
・CTで鼠径部から陰嚢内に連続する軟部腫瘤があり、増強効果を伴っている。右陰嚢内に液体貯留がある。
・MRIではDWIでは高信号である。
・造影後精索の棍棒状腫大、腫瘤の形成、増強効果がある。
・陰嚢皮膚にも増強効果を伴う肥厚がある。

 精索腫瘍の鑑別診断

・Seminoma
・Metastatic timor
・Epididymitis
・Sarcoma
・Fibrosarcoma
・Leiomyosarcaoma
・Lipoma
・Fibroma
・Dermoid
・Lymphangioma
・Leiomyoma

 

高位精巣摘出術
・腫瘤検体:弾性硬・精管肥厚、割面白色均一、周囲との境界明瞭
・精巣検体:割面黄色、均一色調変化無し

病理
・精巣上体、精索にかけて、異型の強い腫瘍細胞が腺管の間質に索状に増殖。精巣実質内にもわずかに浸潤している。
・精巣上体周囲の血管、脂肪織に広い範囲で浸潤。
・胃癌の標本と比較し同様の腫瘍細胞を呈しており、胃腺癌の転移と判断する。

 

診断:胃癌の精索転移
Metastasic tumor of the spermatic cord from  Gastric cancer

 

転移性精索腫瘍
・胃癌(70.4%)
・結腸・直腸(16.7%)
・膵癌(12.9%)
・腎癌
・前立腺癌

転移形式
・リンパ逆行性転移
・静脈逆行性経路
・動脈腫瘍栓からの転移
・播種からの進展

 


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Moderator: 山城 雄貴