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第 345 回 東京レントゲンカンファレンス[2013年6月20日]
症例7 30歳代 女性 : 腹部正中に3 p大の腫瘤を自覚。徐々に増大し、生理に伴って疼痛を伴う。
腹壁子宮内膜症
abdominal wall endometriosis

 

 腹壁子宮内膜症(Abdominal wall endometriosis)

•腹壁に発生する子宮内膜症。
•ほとんどが手術瘢痕部に発生し、約80%は帝王切開術後に発生。
•帝王切開後の0.1%に発生。
•手術操作による子宮内膜組織のインプラントが病因とする説が有力。
•症状は腹部腫瘤、月経周期に一致した病変部の疼痛。
•悪性化の報告があるが、稀。

 

 画像所見

・超音波像:低エコー域、CT:低吸収域  → 非特異的
・MRI所見
1)T1、T2強調像共に高信号
2)T1、T2強調像共に低信号
→新しい出血が主に存在する場合はT1強調像にて高信号、慢性的に経過した出血が主である場合にはT2強調像にて低信号を呈すると推測。
・T2強調像で小さな嚢胞が高信号として描出→子宮内膜腺腔を反映
・内膜腺腔に出血を伴った場合はT1強調像で高信号域を認める

 

 まとめ

・腹部手術の既往があり,月経随伴症状を伴う手術創部腫瘤に対しては,本症を念頭におく必要がある。
・MRIT1強調像およびT2強調像での点状高信号は内膜腺腔や出血を反映した特徴的所見と考えられる。

 


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