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第 347 回 東京レントゲンカンファレンス[2013年10月24日]
症例2 40歳代 男性 : 検診で胸部異常陰影を指摘(7年前にも胸部石灰化指摘あり)
類上皮血管内皮腫
epithelioid hemangioendothelioma

 

 肺の類上皮血管内皮腫

・1975年、Dail と Liebow が肺血管と末梢気道に浸潤する傾向の顕著な腫瘍20例を
  intravascular bronchioloalveolar tumor(IVBAT)と名づけて報告した。
・当初は肺胞上皮由来と考えられていたが、その後の電子顕微鏡的観察や免疫組織化学的所見から
 血管内皮細胞由来と考えられるようになり、軟部組織などに見られる低悪性度の血管性腫瘍と同一の疾患として
 類上皮血管内皮腫(epithelioid hemangioendothelioma)と呼ばれるようになった。
・若年女性に多く、40歳以下が約半数 80%は女性。
・同時多発性に病変が見られることが多い(多中心性発生?)。
・肺以外では、肝病変が約20%に見られ、そのほか軟部組織、リンパ節、骨、脳などの報告がある。
・発育は通常緩徐。
・予後は症例により差があり、20年以上生存例も報告されているが、約40%は5年以内に死亡している。


 CT所見

➀両側肺野の多発結節
・結節の多くは1cm未満
・25%の症例では,結節数は20個以上
・経時的な増大はわずか〜ほとんどなし
・石灰化することもある
➁両側肺野の網状粒状影
・小葉間隔壁の肥厚,すりガラス状陰影を伴う
・予後が比較的悪いタイプ
➂びまん性の胸膜肥厚
・高年齢の男性が比較的多い
・もっとも予後が悪い

 

 鑑別診断

・アミロイドーシス(結節型): 肺野に単発または多発性の結節を形成し,高頻度に石灰化を伴う

 

参考文献
Kim EY, et al. Thoracic epithelioid hemangioendothelioma: imaging and pathologic features. Acta Radiol 2011; 52:161-166


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