メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 methotrexate-associated lymphoproliferative disorder( MTX-LPD ) |
画像所見 |
・多発リンパ節腫大(内部低濃度域、石灰化、融合傾向あり) 頚部、腋窩、縦隔、腹部〜骨盤部 |
・両側口蓋扁桃腫大(内部低濃度域) | ・多発肺結節(小葉中心性、胸膜下)、気腫性変化、石灰化 | |
・肝、脾、両腎に多発する低濃度腫瘤、軽度脾腫 | ・両側副腎腫瘤 | |
・多発皮下結節 |
・多発リンパ節腫大(内部低濃度、石灰化あり)
・両側口蓋扁桃腫大(内部低濃度)
・多発肺結節(小葉中心性、胸膜下)、肺野気腫性変化、石灰化
・肝、脾、両腎に多発する低濃度腫瘤、軽度脾腫
・両側副腎腫瘤
・多発皮下結節(リンパ節?)
→鑑別:悪性リンパ腫などの血液疾患、転移性腫瘍、肉芽腫性疾患?
(小腸重積様、膀胱壁肥厚、両腎結石、左腸骨限局性骨硬化)
入院後経過 |
・血液検査ではsIL-2R 4450 U/mlと高値
・確定診断目的に頚部リンパ節生検を予定したが、全身状態不良との判断で延期
・生検待機期間中(数日間)に頚部リンパ節縮小
入院時 / 第13病日(○) |
・血液検査ではsIL-2R 4450 U/mlと高値
・確定診断目的に頚部リンパ節生検を予定したが、全身状態不良との判断で延期
・血液内科医がMTX休薬を指示
・生検待機期間中(数日間)に頚部リンパ節縮小
診断:メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患
methotrexate-associated lymphoproliferative disorder(MTX-LPD)
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD) |
・WHO分類では免疫不全関連リンパ増殖性疾患のうち、その他の医原性免疫不全に関連したリンパ増殖性疾患として分類
・MTX投与に伴い出現、病理組織型はB細胞リンパ腫が多い
(関節リウマチ患者は一般に悪性リンパ腫の合併が多く、MTX非投与下で発症した悪性リンパ腫との組織学的な相違はない)
・MTX平均投与期間30ヶ月、平均総投与量1500mg
・発症機序は不明
・Epstein-Barr Virus (EBV)感染、再活性化との関連(本症例でも再活性化を思わせる抗体価(VCA IgG)上昇あり)
・症状や検査所見 通常の悪性リンパ腫と同様(発熱、体重減少、リンパ節腫大、CRP・LDH・sIL-2R上昇など)
・皮膚、肺など節外病変が多い?
・診断 リンパ節生検などによる組織学的診断+MTX投与歴(本症例では生検未だが、臨床経過から診断)
・治療 MTX中止、改善なければ化学療法
【その後の経過】
・無治療経過観察(1年4ヶ月間)にて縮小維持
・肺結節や縦隔リンパ節石灰化は初回から著変なし
→ 関節リウマチに伴う濾胞性細気管支炎や陳旧性結核、サルコイドーシス、珪肺などの可能性
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