子宮原発悪性リンパ腫 primary malignant lymphoma of the uterus |
primary malignant lymphoma of the uterus |
・子宮原発の悪性リンパ腫は子宮悪性腫瘍の0.05%
・1974年にChorltonらが初めて報告, 日本でも100症例程度が報告されている
・病理組織ではDLBCLが74%程度を占める
・症状:不正性器出血が最も多いが、無症状の例が14%ほど存在する
・間質に腫瘍細胞が存在するため、擦過細胞診で偽陰性が多い → 診断が遅れることが多い
Foxの基準 |
1)初診時に子宮および子宮に隣接したリンパ節または臓器に病変が限局している
2)末梢血や骨髄に異常細胞がない
3)原発部位から離れた部位に病変が出現したとしても、原発の発症時期から数か月以上経過している
子宮原発のDLBCL 143症例の検討 |
Primary Diffuse Large B cell Lymphoma of the Uterus: Case Report and Review
---- Anticancer Research 34: 4377-90 (2014)
・1990-2013年の英語文献で入手可能な143例の子宮原発DLBCLに関する systematic review
・28%は生殖年齢に発症していた
・症状: 不正性器出血(63%), 下腹部痛(6%)
・治療はR-CHOPを中心としたchemotherapy + radiation
85%の症例で寛解が得られ, 総じて予後はよい
生殖年齢にも見られ,手術回避のためにも画像診断にて疑うことが重要 |
MRIにおける特徴
1)子宮全体が腫大するtype、腫瘤を形成するtype
2)T2WIでほぼ均一な中間信号, T1WI低信号
3)腫瘤を形成するtypeでは多結節状に見えることがある
4)壊死は少ないが、あっても否定できず
Take Home Message |
1)子宮体部腫瘍の鑑別において体癌, 肉腫, ESSに加えてlymphomaも考える
2)子宮原発lymphomaは珍しいが均一なT2W中間信号, 多結節状の形態がHintである
参考文献
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