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第 356 回 東京レントゲンカンファレンス[2014年11月27日]
症例6 50歳代 女性 : ふらつき
毛様細胞性星細胞腫
pilocytic astrocytoma


 毛様細胞性星細胞腫

特徴
・WHO gradeT
・増殖緩徐な星細胞腫
・20 歳以下に多い. (性差なし)
・小脳(60%)2)
・視神経-視交叉、視床下部(25-30%)
その他、基底核・視床、大脳半球など様々な部位に発生しうる。

画像所見
・充実部分:壁在結節mural nodule、強い増強効果
・嚢胞部分:大脳、小脳病変に多い、T1WI 低-等、T2WI 高
・周囲血管性浮腫は軽度
・石灰化伴うことは稀

成人発生毛様細胞性星細胞腫
・稀である
・頻度自体を記載した文献はない
・ 大脳発生が多い

  毛様細胞性星細胞腫 血管芽腫
年齢 20 歳以下が殆ど 35-45 歳にpeak
成人発生は、稀である 成人後頭蓋窩腫瘍の7%(転移に次いで2 番目)
  嚢胞成分および濃染する壁在結節を有する
嚢胞壁造影 様々 ないことが多い
壁在結節 造影効果(+) 造影効果(+++)
周囲浮腫 なし、あっても軽度 強い
腫瘍新生血管 なし あり

 

 結語

・稀ではあるが、成人後頭蓋窩実質内腫瘍の鑑別診断として、毛様細胞性星細胞腫が挙がる。
・血管芽腫との相違:造影強度(壁在結節)、周囲浮腫、新生血管→左記所見に乏しい

 


参考文献

  • Radiographics 24 1693-1708 2004 Pilocytic Astrocytoma: Radiologic- Pathologic Correlation1 Kelly K. Koeller, CAPT, MC, USN Elisabeth J. Rushing, COL, MC, USA
  • AJR 152: 1263-1270, 1989 Lee YY etar: Juvenile pilocytic astrocytoma: CT and MR characteristics
  • Robbins Atlas of Pathology
  • Neurosurg 90:265−273, 1999 PHILIPPE PENCALET et al. Benign cerebellar astrocytomas in children,
  • Radiographics January-February 2008 Imaging Features of von Hippel−Lindau Disease Rebecca S. Leung, et al

 


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