硬化性間質性腫瘍 sclerosing stromal tumor |
MR所見まとめ |
子宮背側に境界明瞭な腫瘤性病変 ・右卵巣由来 ・内部は嚢胞様 ー隔壁様構造を有し、分葉状 ・嚢胞壁には充実性部分 ・腫瘤辺縁に帯状のT2WI高信号
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充実性部分 ・不整でT2WI低信号 ・造影増強効果あり ー早期濃染、遷延性 ー子宮筋層より強い増強効果 |
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嚢胞様部分 ・T2WI高信号、T1WI低信号 ー出血、脂肪信号なし |
鑑別診断 |
・充実性部分がT2WI低信号 ・造影増強効果を伴う Brenner腫瘍、莢膜細胞腫、顆粒膜細胞腫、硬化性間質性腫瘍 ↓ ・腫瘍マーカー陰性、拡散制限なし ↓ 硬化性間質性腫瘍と診断 |
経過
・MRIの結果、硬化性間質性腫瘍と診断
・他院での治療を希望され転院
・腹式右付属器切除術を施行
病理診断:硬化性間質性腫瘍 Sclerosing Stromal Tumor
硬化性間質性腫瘍 |
良性充実性腫瘍 ・性索間質系腫瘍の6% ・片側性 ・再発の報告例なし 若年者に多い ・80%は30歳以下に発症 月経異常を伴う ・続発性無月経、不正出血で発見されることが多い ・内分泌活性を持つことは稀 |
性索間質系腫瘍 |
Hedvig H. DIAGNOSTIC IMAGING GYNECOLOGY; 7: 40-42 |
病理・画像所見 |
「富細胞性領域」+ 「浮腫性で細胞の 少ない結合織」=“pseudolobular pattern”
富細胞性領域(充実性部分) ・豊富な膠原線維と毛細血管 ・T2WI低信号、強く遷延する造影増強効果 浮腫性で細胞の少ない結合織(嚢胞様部分) ・T2WIで高信号、T1WI低信号 ・造影増強効果が弱い 圧排された卵巣 ・腫瘍は浸潤を伴わず、緩徐に発育 ・卵巣は圧排、浮腫状 ーT2WIで帯状の高信号 |
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Kim J. Korean J Radiol 2003; 4: 194-199 |
TAKE HOME MESSAGE |
硬化性間質性腫瘍
Sclerosing Stromal Tumor
・若年者に月経不順をきたす良性卵巣腫瘍
・充実性部分と嚢胞様部分
・充実部分はT2WI低信号、早期から遷延する強い造影増強効果を示す
参考文献
・田中 優美子. 産婦人科の画像診断: 352-354
・長谷川 幸清. 産婦中四会誌 2000; 49: 90-96.
・Hedvig H. DIAGNOSTIC IMAGING GYNECOLOGY; 7: 40-42
・Yumiko T. Radiographics 2004; 24: S147-66.
・Izumi I. Radiographics 2006; 26: 1431-48.
・Ikuo J. J Comput Assist Tomogr 2001; 25: 201-206
・Kim J. Korean J Radiol 2003; 4: 194-199
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