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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第356回症例症例:呈示
第 356 回 東京レントゲンカンファレンス[2014年11月27日]
症例7 10歳代 女性
硬化性間質性腫瘍
sclerosing stromal tumor

 

MR所見まとめ
   
子宮背側に境界明瞭な腫瘤性病変
・右卵巣由来
内部は嚢胞様
 ー隔壁様構造を有し、分葉状
嚢胞壁には充実性部分
腫瘤辺縁に帯状のT2WI高信号

 

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充実性部分
不整でT2WI低信号
造影増強効果あり
 ー早期濃染、遷延性
 ー子宮筋層より強い増強効果
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嚢胞様部分
T2WI高信号、T1WI低信号
 ー出血、脂肪信号なし
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鑑別診断
   
・充実性部分がT2WI低信号
・造影増強効果を伴う
  Brenner腫瘍、莢膜細胞腫、顆粒膜細胞腫、硬化性間質性腫瘍

   ↓

・腫瘍マーカー陰性、拡散制限なし
   悪性腫瘍は否定的
・10代女性、月経異常
   性索間質系腫瘍

   ↓

硬化性間質性腫瘍と診断

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経過
・MRIの結果、硬化性間質性腫瘍と診断
・他院での治療を希望され転院
・腹式右付属器切除術を施行

病理診断:硬化性間質性腫瘍 Sclerosing Stromal Tumor

 

硬化性間質性腫瘍
  
良性充実性腫瘍
・性索間質系腫瘍の6%
・片側性
・再発の報告例なし

若年者に多い

・80%は30歳以下に発症

月経異常を伴う

・続発性無月経、不正出血で発見されることが多い
・内分泌活性を持つことは稀

性索間質系腫瘍
・良性腫瘍
 ー莢膜細胞腫、線維腫、硬化性間質性腫瘍
  Sertoli・間質細胞腫瘍(高分化型)、Leydig細胞腫、
  輪状細管を伴う性索腫瘍
・境界悪性腫瘍
 ー顆粒膜細胞腫、 Sertoli・間質細胞腫瘍(中分化型)、
  ステロイド細胞腫瘍、ギナンドロブラストーマ
・悪性腫瘍
 ー線維肉腫、 Sertoli・間質細胞腫瘍(低分化型)

Hedvig H. DIAGNOSTIC IMAGING GYNECOLOGY; 7: 40-42

 

病理・画像所見

富細胞性領域」+ 「浮腫性で細胞の 少ない結合織」=“pseudolobular pattern”

富細胞性領域(充実性部分)
・豊富な膠原線維と毛細血管
・T2WI低信号、強く遷延する造影増強効果

浮腫性で細胞の少ない結合織(嚢胞様部分)

・T2WIで高信号、T1WI低信号
・造影増強効果が弱い

圧排された卵巣

・腫瘍は浸潤を伴わず、緩徐に発育
・卵巣は圧排、浮腫状
 ーT2WIで帯状の高信号
 
 

Kim J. Korean J Radiol 2003; 4: 194-199

 

TAKE HOME MESSAGE

硬化性間質性腫瘍 Sclerosing Stromal Tumor
・若年者に月経不順をきたす良性卵巣腫瘍
・充実性部分と嚢胞様部分
・充実部分はT2WI低信号、早期から遷延する強い造影増強効果を示す

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参考文献

・田中 優美子. 産婦人科の画像診断: 352-354
・長谷川 幸清. 産婦中四会誌 2000; 49: 90-96.
・Hedvig H. DIAGNOSTIC IMAGING GYNECOLOGY; 7: 40-42
・Yumiko T. Radiographics 2004; 24: S147-66.
・Izumi I. Radiographics 2006; 26: 1431-48.
・Ikuo J. J Comput Assist Tomogr 2001; 25: 201-206
・Kim J. Korean J Radiol 2003; 4: 194-199

 

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Moderator: 栗林 英人