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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第366回症例症例:呈示
第 366 回 東京レントゲンカンファレンス[2016年2月25日]
症例4 40歳代 男性
キャッスルマン病
Castleman's disease

 

 画像所見のまとめ

【Dynamic CT】
 ・境界明瞭な径32mm大の腫瘤
 ・非造影CTでは膵実質、脾臓と等吸収 
 ・早期から造影効果(+)、 wash outは遅め
 ・中心に造影効果の乏しい領域

【造影MRI】
 ・T2WIでは膵実質、脾臓より軽度高信号
 ・DWIで強い高信号
 ・早期から造影効果(+)
 ・中心にT2WIで軽度低信号の領域

 

膵内分泌腫瘍疑いで腹腔鏡下脾合併膵尾部切除術施行


切除標本  
脾臓 膵尾部
  被膜を有する褐色調球状結節

 

 病理所見
 
 
 

最終病理診断:キャッスルマン病

 

 キャッスルマン病とは

・1950〜70年代にかけてCastlemanおよびKellerらによって提唱された疾患概念
リンパ節、節外臓器限局性、あるいは多発性に腫瘤を形成し、病変は病理組織学的に規定される:
 −硝子血管型(hyaline vascular type; HV型)主に限局性
 −形質細胞型(plasma cell type; PC型
・全身性のPC型あるいはMIX型で臨床症状が目立つ症例がある “多中心性キャッスルマン病” (MCD

 

 典型的な画像所見

・非造影CT:内部均一な軟部陰影、筋と等吸収
・MRI:筋と比してT1WIで等〜軽度低信号、T2WI高信号
    DWIで高信号
    時にflow voidも見られる
・造影検査:”marked enhancement and slow wash out” → 動脈相で増強、門脈相、平衡相に渡る遷延性の染まり
石灰化は約10%程度で認められる;点状、分枝状、粗大、病変辺縁など




参考文献

  • Sahni VA, AJR Am J Roentgenol, 2009 Apr;192:923-35.
  • Zhou LP, Abdom Imaging, 2008 Jul-Aug;33:482-8.
  • Bonekamp D, Radiographics, 2011 Oct;31:1793-807.
  • Madan R, Eur J Radiol, 2012 Jan;81:123-31.
  • Hill AJ, Br J Radiol, 2015 May;88:20140670.
  • 病理診断クイックリファレンス 病理と臨床 33 巻臨増 2015 Apr:43,241.

 

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Moderator: 西村 亜希子