コルネリアデランゲ症候群に伴った盲腸捻転 cecal volvulus caused by Cornelia de Lange syndrome |
画像所見のまとめ |
・小腸が著明に拡張。横行結腸〜直腸が虚脱。
・右上腹部に拡張した盲腸あり。盲腸から上行結腸移行部付近に中心にwhirl signを認める。
・明らかな腸回転異常は認めず。
・捻転頚部の腸間膜血管に造影不良域
・スカウト像にて、両上肢の短縮。
盲腸捻転症 |
*頻度:結腸捻転の6〜25%程度。
*発症原因:先天的な回腸末端から盲腸・上行結腸の後腹膜への固定不全に加え、なんらかの二次的要因(盲腸内容の渋滞や充満、術後の癒着、過食、臥床、妊娠、腸間膜根部の狭小)が必要とされる。
画像所見
*単純X線写真:拡張したコンマ状の大腸ガス像
*腹部CT:拡張した異所性盲腸、whirl sign
*分類
・axial type(Ⅰ型):臓器軸性の捻転。
・loop type(Ⅱ型):Ⅰ型に、頭側への反転が加わる。回腸が巻き込まれるため虚血は高度。
・bascule type(Ⅲ型):盲腸が上行結腸の前面へ折れ曲がった状態。捻転はない。
Cornelia de Lange症候群(CDLS) |
*特徴のある顔貌と多発奇形を伴う先天性疾患。
・精神発達遅延、成長発育遅延
・顔貌:小頭症、短頚症、眉毛癒合、長い睫毛、小さい鼻、上向き鼻孔、口蓋裂、歯牙萌出遅延
両口角の下方屈曲、小顎症、耳介低位付着
・四肢:顎関節の拘縮、小肢症(手足)
・皮膚:多毛
・停留精巣、尿道下裂、男子子宮、双角子宮
*SFD児として生まれることが多い。
*欧米で2万人に1人、日本でも同程度とされる。
*男女はほぼ同率で発症。同胞の発症率も少ない。
*近年では類似した疾患のうち、特に染色体異常のない症例に限って、CDLSと呼ぶようになってきている。
*CDLSに盲腸捻転が合併しやすい明白な理由は不明。
参考文献