細胆管細胞癌 cholangiolocellular carcinoma |
画像所見 |
肝臓には118×92×78mmの大きな塊状腫瘍がみられる。 割面は白色調充実性で,境界は明瞭である。 |
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Dynamic CT(動脈相) | Dynamic CT(門脈相) |
・辺縁部に濃染層構造 ・腫瘍内を脈管が貫通 |
・中心部は経時的に徐々に造影 |
T2WI | In phase/out of phase |
・辺縁優位に高信号 ・腫瘍内を脈管が貫通 |
・腫瘍内脂肪沈着(−) |
【肉眼初見】 | |
・118×92×78mm ・白色充実性 ・境界明瞭 |
【HE染色】 | ||
弱拡像(対物×4) | 強拡像(対物×20) | 強拡像(対物×40) |
・線維性被膜(−) ・背景肝は慢性肝炎 |
・軽度異型を示す 小型類円形核を有する立方細胞 ・腫瘍細胞は不規則に吻合し、 不整腺管を形成・増殖 ・浸潤先進部では肝細胞索との連続性あり |
・好酸性の細胞質 ・粗造なクロマチンを示す小型類円形の核 ・少数の核分裂像 ・粘液産生(−) ・豊富な線維間質 |
【EMA染色】 強拡像(対物×40) | ||
・腺管内腔面が陽性 ・その他の免疫染色 CK7(+), CK19(+) |
最終診断:細胆管細胞癌
Cholangiolocellular carcinoma(CoCC, CLC)
細胆管細胞癌 |
・細胆管(Hering管)由来とされているが諸説あり
・背景肝に慢性肝炎や肝硬変(約半数)
・HCCとICCの性質を併せ持つ
・以前は胆管細胞癌の一亜型に分類
原発性肝癌取扱い規約第5版から独立した疾患概念
・WHO分類では、混合型肝癌の一亜型に分類
(combined hepatocellular and cholangiocarcinoma with stem cell features, cholangiolocellular subtype)
Steiner PE, Higginson J. Cholangiolocellular carcinoma of the liver. Cancer. 1959 Jul–Aug;12(4):753–9
日本肝癌研究会編.臨床・病理原発性肝癌取扱い規約.第 6 版.東京:金原出版,p53-54, 2015.
鑑別
肝内胆管癌
疫学
原発性肝癌の 0.56〜1%と稀
治療
・手術が第一選択
・全身化学療法、動注化学療法など
Fukukura Y, Hamanoue M, Fujiyoshi F, et al. Cholangiolocellular carcinoma of the liver: CT and MR findings. J Comput Assist Tomogr. 2000 Sep-Oct;24(5):809-12.
病理所見
・異型の乏しい類円形の腫瘍細胞
・豊富な線維性間質
・増生細胆管、Hering管に類似する小管腔構造
・増殖先端部では腫瘍細胞が肝細胞索と連続する
・CK7、CK19陽性
・EMA染色で腺管内腔面が陽性
・粘液産生なし
Fukukura Y, Hamanoue M, Fujiyoshi F, et al. Cholangiolocellular carcinoma of the liver: CT and MR findings. J Comput Assist Tomogr. 2000 Sep-Oct;24(5):809-12.
画像所見
線維性被膜なし
T1強調像:低信号、T2強調像:高信号(全体/辺縁)
脂肪沈着・出血巣がない
ダイナミックMRI・CT:
辺縁部は早期濃染
中心部は経時的に徐々に染まり、遅延相で等〜低吸収
CoCCに特徴的な所見
グリソンの腫瘍内貫通
層構造を呈する
佐野勝廣, 市川智章.第3章 肝腫瘤性病変 C 肝細胞癌以外の悪性肝腫瘤性病変 2)細胆管細胞癌. 腹部MRI (荒木力編).メディカル・サイエンス・インターナショナル, p111, 2014.
Motosugi U, Ichikawa T, Nakajima H, et al. Cholangiolocellular carcinoma of the liver: imaging findings. J Comput Assist Tomogr. 2009 Sep-Oct;33(5):682-8.
Asayama Y, Tajima T, Okamoto D, et al. Imaging of cholangiolocellular carcinoma of the liver. Eur J Radiol. 2010 Jul;75(1):e120-5.
細胆管細胞癌 | ||
・EMA染色で腺管内腔が陽性 | ・脈管が腫瘍内を貫通 ・層構造 |
・門脈域・肝静脈の腫瘍内貫通 |
参考文献
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