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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第369回症例症例:呈示
第 369 回 東京レントゲンカンファレンス[2016年6月16日]
症例4 30歳代 男性
石灰化頸長筋腱炎
caicific tendinitis of the longus colli

 

 画像所見
 
頸椎X線 CT
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・咽頭後部、椎体前面の軟部組織は腫脹し、環椎前面には淡い高吸収域を認める。 ・環軸椎前面に石灰化がみられ、その前部に軟部組織の腫大を認める。
   
MRI:T2WI/T1WI  
img ・T2WIでは咽頭後部に液体貯留を疑う高信号域、T1WIでは同部位に異常な軟部影がみられる。

 

 石灰化頸長筋腱炎

【臨床】
・頸長筋は前縦靱帯の前方にあり、頭・頸椎を屈曲させる筋肉である。
 本症は頸長筋の腱におけるhydroxyapatiteの沈着を伴う炎症である。
・20〜50代に好発し、数日の急性経過を呈する頸部痛、可動域制限、発熱、嚥下障害や咽頭痛の症状がみられる。
・局所安静やNSAIDs内服にて2週間程度で症状が軽快する。

 

 鑑別診断

咽頭後部浮腫および液体貯留を来す疾患
・咽頭後部・脊椎前部膿瘍
・放射線治療あるいは内頸静脈切除後の二次性浮腫
・石灰化頸長筋腱炎

椎体前面に石灰化を認める疾患
・環椎前弓下副小骨
・石灰化頸長筋腱炎

臨床経過  
NSAIDs内服により症状、画像所見も改善。
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受診時 5週間後

 

 Take Home Message

成人で急性発症の頸部痛および嚥下痛があり、C2椎体前部に石灰化、咽頭後部に浸出液を認める際には石灰化頸長筋腱炎を考える。

 



参考文献

  • A case of calcific retropharyngeal tendinitis suspected to be a retropharyngeal abscess upon the first medical examination Takeshi Kusunoki Auris Nasus Larynx 33 (2006) 329−331
  • エキスパートのための脊椎脊髄疾患のMRI 第2 版 柳下 章 299-300

 

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Moderator: 山根 彩