石灰化頸長筋腱炎 caicific tendinitis of the longus colli |
画像所見 |
頸椎X線 | CT |
・咽頭後部、椎体前面の軟部組織は腫脹し、環椎前面には淡い高吸収域を認める。 | ・環軸椎前面に石灰化がみられ、その前部に軟部組織の腫大を認める。 |
MRI:T2WI/T1WI | |
・T2WIでは咽頭後部に液体貯留を疑う高信号域、T1WIでは同部位に異常な軟部影がみられる。 |
石灰化頸長筋腱炎
|
【臨床】
・頸長筋は前縦靱帯の前方にあり、頭・頸椎を屈曲させる筋肉である。
本症は頸長筋の腱におけるhydroxyapatiteの沈着を伴う炎症である。
・20〜50代に好発し、数日の急性経過を呈する頸部痛、可動域制限、発熱、嚥下障害や咽頭痛の症状がみられる。
・局所安静やNSAIDs内服にて2週間程度で症状が軽快する。
鑑別診断 |
咽頭後部浮腫および液体貯留を来す疾患
・咽頭後部・脊椎前部膿瘍
・放射線治療あるいは内頸静脈切除後の二次性浮腫
・石灰化頸長筋腱炎
椎体前面に石灰化を認める疾患
・環椎前弓下副小骨
・石灰化頸長筋腱炎
臨床経過 | |
NSAIDs内服により症状、画像所見も改善。 | |
受診時 | 5週間後 |
Take Home Message |
成人で急性発症の頸部痛および嚥下痛があり、C2椎体前部に石灰化、咽頭後部に浸出液を認める際には石灰化頸長筋腱炎を考える。
参考文献
◀ 症例提示へ戻る | 画像をまとめて見る…PDF |